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米国産シェールガスLNGを初輸入、エネルギーコストの低下に道ひらく

1/20(金) 11:50配信

THE PAGE

 先日、日本のエネルギー調達に関して非常に重要な一歩となる出来事がありました。米国のシェールガスを原料にしたLNG(液化天然ガス)が初めて日本に納入されたからです。日本はこれまで、国際的な相場をはるかに上回る高い価格でLNGを購入しており、エネルギー業界ではジャパンプレミアムと呼ばれていました。安価な米国産のLNGの調達ルートを確保したことで、エネルギーコストの低下と調達ルートの多角化に道を開くことになります。

天然ガスは石油に次ぐ主要なエネルギー源

 米国からLNGを購入したのは東京電力と中部電力の合弁会社であるJERAです。同社は米シェニエール社とLNGの調達契約を締結。昨年12月7日にシェニエール社が運営するルイジアナ州の基地からLNGタンカーが出航し、今年の1月6日に中部電力上越火力発電所に到着しました。日本がアラスカを除く米国産のLNGを輸入したのは初めてのことになります。

 日本は世界でも指折りのLNG輸入大国となっており、火力発電所の燃料用途を中心に2015年度には約4兆5000億円ものLNGを輸入しました。原油の輸入金額は約7兆4000億円ですから、天然ガスは日本において石油に次ぐ主要なエネルギー源となっているわけです。ところが日本は国際的に見て極めて高い価格でLNGを購入しています。

 最近の日本におけるLNG価格は100万BTU(英式熱量単位)あたり約9ドルですが、欧州は約5ドル、米国は約4ドルといった水準が標準的です。福島第一原発事故の直後は、日本がLNGの輸入を増やすとの思惑から価格が急騰。一時は18ドルという高値での取引を余儀なくされていました。

日本のLNG価格が高いのは、足元を見られているから

 日本のLNG価格が高いのは、簡単に言ってしまえば足元を見られているからです。日本はオイルショック後、原油に依存しないエネルギー源の確保に迫られ、コストを考えずに、原油価格連動形式でLNGを長期契約してしまいました。この慣行が今でも継続しており、価格が高止まりしているのです。

 米国は安全保障上や公益性などの理由から、これまで天然ガスの輸出を厳しく規制してきましたが、状況は大きく変わりました。シェールガス革命によって米国は世界一の産油国となり、今後、長期間にわたってすべてのエネルギーを自給できる見通しが立ちました。米国内にはエネルギーが余っていますから、一部については輸出を解禁するようになったのです。今回、日本が輸入できたのはこの分になります。

カタールなどとの価格交渉力に道

 JERAが調達したLNGの価格は明らかではありませんが、これまでの価格が高すぎたことや、米国内での相場を考えると、従来よりかなり安い価格になっているとみてよさそうです。

 これに加えて日本は、米国からの輸入拡大を材料に、カタールやオーストラリアと価格交渉することが不可能ではなくなりました。そう簡単にLNG価格全体が下がるとは思えませんが、交渉材料を手にしたという意味は大きいでしょう。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:1/26(木) 12:13
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