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電通が高橋まつりさん母に謝罪 双方で合意書に調印

1/20(金) 17:26配信

BuzzFeed Japan

違法な長時間労働問題をさせていたとして厚労省に書類送検された国内最大の広告代理店・電通。2015年12月に過労自殺をした新入社員、高橋まつりさん(当時24)の母親・幸美さん(54)が1月20日、会見を開き、同社と合意書を調印したことを明らかにした。【籏智 広太 / BuzzFeed Japan】

会見に同席した代理人の川人博弁護士によると、2017年1月20日午後、都内で遺族側と会社側の合意書が調印されたという。

調印にあたっては、石井社長から幸美さんに対して謝罪の言葉が述べられたという。また、命日である12月24日には、石井社長が自宅を訪れ、献花と弔問をしたことも明かされた。

合意書の主要なポイントは以下の通り。

・会社による遺族に対する謝罪
・再発防止を含めたあらゆる面における改善を行う決意を表明する
・再発防止策を遺族の意向も踏まえて真摯に検討し、実行することを約束する

会社側が示した再発防止措置は、18項目にわたる。すでに実施されている「22時消灯」や「鬼十則」の使用による「過度の精神主義」の強調を防ぐことのほか、メンタルヘルス対策や労働時間把握の徹底などがあげられた。

また、同社は遺族側に慰謝料など解決金を支払った(金額は非公開)。川人弁護士によると、「まつりさんが全面的な責任を負うことを前提とした、社会的に相当な金額」だという。「支払いによって人の命は帰ってこない」ともした。

幸美さんは会見で、合意をした理由として「会社が責任を認め、謝罪したこと」「鬼十則を社員手帳から削除したこと」「サービス残業をなくすことを約束したこと」などを挙げた。

そのうえで、会社側が「どんなに謝罪をして、再発防止を約束しても、娘がに度と生きて帰ってくることはありません。いまでもまつりが、東京のどこかで元気に暮らしているような気がしてなりません」などと、涙ながらに語った。

会見で、幸美さんが「石井社長に話した内容」として公表した全文は以下の通り。

本日合意しましたが、娘は二度と帰ってこないし、抱きしめることはできません。

娘が死ぬほど辛かった、死の原因となった連続の深夜残業・休日出勤。これらの業務が私的情報収集・自己啓発などの名目で業務として認められていなかったこと。

このことが原因で、娘の残業申告時間は月70時間に収まっていました。そのため、娘は産業医との面談も受診していませんでした。

これらが業務として認められていたら、残業時間を正確に申告することが許されていたら、娘はどこかで誰かに救われていたかもしれません。娘は死なずにすんだかもしれません。

「ハラスメントや長時間勤務に関する相談が本人からなかった」といわれていますが、彼女のメールには、くり返し「会社に行くのが恐い」「上司が恐い」「先輩が恐い」「相談したことがわかったら恐い」とありました。

電通における社風「体育会系レベルではない異常な上下関係」「年次の壁は海より深い」と娘が言っていた社風であるのに、新入社員が相談できる相手は年のごく近い先輩だけしかいなかったのです。

人事に相談しても有効ではなかった。

12月には特別条項まで出されていました。11月に勇気を出して、人事や上司に相談していたのに、誰も娘を助けてくれなかったのです。

娘が生きていたら、誰かが娘を助けてくれていたら、娘は今でも電通のために働いていたでしょう。娘の希望どおりに英語や中国語を活かして仕事をしていたかもしれません。

そして、娘の描いていた夢のとおり、将来は母と弟を招いてハワイで結婚式を挙げ、子どもを産み、母を東京に呼んで一緒に住んでいたかもしれません。私は、娘と一緒に孫を育てていたでしょう。

日本の発展に貢献するために教育を受けてきた娘は、それを実現することができたでしょう。私は今でも娘を抱きしめることができたでしょう。

みなさんは、このことをしっかりと心に刻んで下さい。

彼女の配属希望では、デジタル部門は7部門中一番希望しない7番目でしたが、娘は電通の仲間として迎えられたことを誇りに思っていました。世間では、彼女は電通に入社しなければよかったのにと言われています。

こう言われていることを返上できるよう、ひとり残らずすべての社員が幸せにいられる会社に変えてください。

最終更新:1/20(金) 17:26
BuzzFeed Japan