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大統領を誕生させた「トランプ一族」の系譜

1/21(土) 10:00配信

The Telegraph

【記者:Joe Shute】
 今から10年前、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米新大統領と妻のメラニア(Melania Trump)夫人との間に息子バロン(Barron Trump)君が生まれ、トランプ氏は記者会見を開いてバロン君のお披露目を行った。

 カメラのフラッシュが一斉にたかれる中、バロン君を高く持ち上げて見せたトランプ氏は、「この子は強くて賢く、タフで冷酷、そしてどう猛だ」「起業家に必要な全ての資質を兼ね備えている」とお得意の大仰な文句を並べ立てた。

 その裏に込められたメッセージは明白だった。「トランプ家の新たな一員の誕生だ。世界よ、目を離すな」ということだ。

 権力の継承──トランプ氏にとってはそれが全てだ。無一文の移民から不動産開発業者になった祖父、そして米国屈指の富豪になった父。彼らと同じ、燃えたぎる野心をトランプ氏も持っている。自分とその血縁者は人の上に立つ運命なのだという確信が、トランプ氏の心には刷り込まれている。

 良心の呵責(かしゃく)の欠如、自尊心の強さ、歯に衣(きぬ)着せぬ物言いで、政治評論家らをあぜんとさせることもしばしばだが、米国の第45代大統領を最も良く理解するには、トランプ一族の系譜に目を向ける必要がある。

 英テレビ局チャンネル4(Channel 4)で、トランプ家の歴史に焦点を当てた新番組の制作に携わったマット・フライ(Matt Frei)記者は、「トランプ一族に共通しているのは、どれだけ稼いでどれだけ成功していても、次なるチャンスを常に目指し続ける欲求だ」と分析する。フライ氏は、一家が「執念深く」過熱気味にアメリカンドリームを追求しているとみている。

 トランプ氏の父親フレッド(Fred Trump)氏は、父親(トランプ氏の祖父)から受け継いだ不動産事業を徐々に拡大し、30年後には2億ドル(約230億円)規模にまで成長させた。しかしその成功の裏では、数々の不正疑惑もささやかれた。フレッド氏は、当時の政府が大恐慌からの脱却を目指して打ち出した事業計画から最大の利益を引き出し、そして第2次世界大戦(World War II)の退役軍人向けに格安の低質住宅を供給して暴利を得ていたとされる。

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最終更新:1/21(土) 10:00
The Telegraph