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絵本『えんとつ町のプペル展』無料公開で炎上、キンコン西野氏の何が問題?

1/25(水) 8:00配信

THE PAGE

 絵本作家としても活動するお笑いコンビ、キングコングの西野亮廣氏が自身の絵本(価格は2000円)を無料でネット公開したことについてちょっとした炎上騒ぎになっています。無料で絵本を公開することの何が問題なのでしょうか。

「2000円では高くて買えない」という意見がきっかけ

 西野氏は19日、昨年秋に発売した自身の絵本「えんとつ町のプペル」をネット上で無料公開しました。同書は発売当初から話題になり、すでに23万部を超える絵本としては異例のベストセラーとなっています。そのような中、ある小学生から「2000円では高くて買えない」という意見をもらい、より多くの人に見て欲しいとネット上での無料公開に踏み切りました。

 しかし、その直後から西野氏に対しては「無料にすると多くのクリエイター達にシワ寄せが来る」といった批判が寄せられました。その後、西野氏を擁護する意見も出てくるなどネットではちょっとした論争になっています。

「お金の奴隷解放宣言」がクリエイターたちを刺激?

 すでに世の中では無料で提供して別の形で収益を上げるというビジネスモデルがあちこちに出現しており、西野氏の行動が特段、目新しいわけではありません。また西野氏に対する批判も、無料サービスの代表例ともいえるツイッターなどで展開されていることを考えると、少々矛盾しているようにも感じられます。ただ、ここまで話が大きくなったのは、西野氏本人も認めているように、ブログでの発言にある程度、原因があったのかもしれません。

 西野氏は無料公開について説明したブログで「「お金が無い人には見せませーん」ってナンダ?」と発言。無料公開について「お金の奴隷解放宣言」であると主張したのですが、こうした言い回しが、単価の安い仕事に苦しんでいる一部のクリエイターたちを刺激してしまったようです。また今回の騒動が絵本の売上げをさらに押し上げ、アマゾンでのランキングが1位になるなど、西野氏がたくさん稼ぐ結果になってしまったことも火に油を注いだといえそうです。

一握りの人物が業界の利益を持って行く厳しい世界

 一般的に芸術・芸能やスポーツといった分野は、ごく一握りの人物が業界の利益のほとんどを持って行ってしまう厳しい世界であり、多くの人がその状況を理解した上で業界に飛び込んでいます。また、そのような厳しい世界だからこそ、業界として魅力があるのも事実です。

 つまり、特殊な才能を必要とする一部の世界については、苛烈な弱肉強食社会を許容する一定のコンセンサスがあると考えてよいでしょう。しかし、どこまでを芸術家の仕事の範囲とするのかについては、人によって見解が異なるかもしれません。

 あまり芸術的ではない一般的なデザインの仕事でも「あの西野さんがタダにしているのだから」といって強引に安い単価を提示されるというケースは出てくる可能性があります。

 ただ、無料化によって仕事がなくなる人が出てくることはあらゆる業界において半ば常識となっており、絵本の世界だけが特別というわけではありません。こうした流れを根本的に変えることは難しいでしょう。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:1/31(火) 18:14
THE PAGE