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「驚き桃の木20世紀」を即座に英訳する通訳の腕前、裏話に見る厳しさと魅力

1/31(火) 11:54配信

THE PAGE

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 たとえば、「『ありが玉置浩二』を即座に英訳せよ」と言われて、どれくらいの人が対応できるだろうか。プロの通訳者には、そうしたアドリブめいた造語にも対応する難易度の高い仕事が求められる。昨年10月28日に外国特派員協会で行われたシンガーソングライター・ピコ太郎さんの記者会見で英語通訳を務めた橋本美穂さんは、「そこが腕の見せどころ」と話す。インタビューで裏話を聞くなかで見えてきたのは、通訳という仕事の厳しさと魅力だった。

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準備は入念に、しかし予想できないダジャレ

 橋本さんは英語通訳歴約10年。記者会見の通訳もあるが、メインの仕事は企業内の会合や決算の記者発表といったビジネス関係や、シンポジウムなど各種学会関係の通訳だという。

 準備に際しては、まず会のテーマと目的、出席者の顔ぶれなどを確認する。学会関係などで専門的な話を訳す場合、通訳者が勝手に訳を作るのではなく、たとえば医学系なら、マクロファージやキラーT細胞などの専門用語を一字一句そのまま使わねばならない。

 また、「その専門分野を理解しないと話になりませんので、1時間の講演であってもその分野の用語辞典を1冊読み込むなどして予備知識をストックします」。分野特有の単語リストも用意する。企業の会合などのビジネス関係の仕事もほぼ同じで、企業側から提供された資料を丹念に読み込むなど、準備は入念に行う。

 十分な準備が難しい場合もある。ピコ太郎さんの会見はそのケースだった。橋本さんは、「古坂大魔王さんの話など、ニュースサイトや動画などを懸命にサーチしましたが、実際に何を話すのか予想できず、用語の準備はあまりできませんでした」と振り返る。

 事前の打ち合わせでも、ピコ太郎さんから話す内容のくわしい説明はなく、たずねても「難しい話はないよ」、「ゆるい会見ですから」などという返答のみ。「パーフェクトな仕事を行うのが使命ですが、私のパーフェクトな仕事を披露する場ではなく、主役はピコ太郎さん」と考えた橋本さんは、本番時の集中力で乗り切ると決めた。

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最終更新:2/1(水) 16:42
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