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東芝、メモリー事業分社化で再起できるのか?

1/31(火) 8:00配信

THE PAGE

 米国の原子力事業で多額の損失を抱えている東芝が、状況を打開するため虎の子のメモリー事業の分社化を決断しました。果たして東芝は再起することができるのでしょうか。

【中継録画】東芝が半導体メモリー事業の分社化発表で記者会見

 同社は、買収した米国の原子力企業ウェスチングハウス(WH)社が多額の損失を抱えていることが明らかとなりました。損失額は現在算定中ですが7000億円に達するとの報道もあります。2016年9月時点における同社の自己資本は3600億円しかありませんので、損失額によっては債務超過に陥る可能性が出てきます。

 こうした事態を打開するため東芝は1月27日、唯一、好業績を維持しているメモリー事業を分社化する方針を明らかにしました。分社化されるのは、NAND型フラッシュメモリーと、同メモリーを使用したSSD(ソリッドステートドライブ)の事業です。NAND型フラッシュメモリーは、東芝が独自に開発した半導体で、データの書き込みと消去が可能です。電源を切ってもデータが消失しないことから、スマホの記憶媒体やUSBメモリーなどで多用されています。またフラッシュメモリーを搭載したSSDは、ハードディスクドライブ(HDD)よりも高速に読み出しが出来ることから、パソコンやサーバーの記憶装置としての需要が増えています。

 メモリー事業は現在の東芝では唯一といってよいほどの収益事業で、すべてを外部に切り出せば1兆円以上の時価総額になるとの見方もあります。東芝は株式の外部放出を2割程度に抑えたい意向で、その場合には2000億円程度の売却益が見込める計算となります。

 しかし、今回の分社化ですべてが解決するというわけにはいかないかもしれません。原子力部門の損失が本当に7000億円だった場合には、メモリー事業の過半数を手放さなければならないでしょう。そうなってくるとメモリー事業は東芝の事業から離れてしまいます。また原子力部門が今後、順調に経営できるとは限りません。何より、メモリーと原子力という同社の中核事業を分社化あるいは縮小してしまうと、東芝本体には次の成長を担う事業がなくなってしまうという問題があります。

 メモリー事業以外の半導体事業、エレベーターや空調などの社会インフラ事業、POSシステムや複写機事業などが残っていますが、どれも決め手に欠けるというのが正直なところでしょう。市場からは、残った事業を切り売りした方が各事業のためになるとの声も聞かれます。そうなると東芝は実質的にバラバラに解体されてしまうことになります。

 原子力事業の損失額は2月半ばまでに確定する見込みです。東芝の経営問題はいよいよ正念場を迎えたといってよいでしょう。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2/1(水) 16:44
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