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その転勤、笑えますか? 辞令1枚で変わる家族の人生

1/30(月) 5:10配信

BuzzFeed Japan

転勤は「育成」でも「玉突き」でも、受け入れざるを得ない。その陰で、家族は「残る」か「動く」かの選択を迫られる。ひとりの社員を動かすとき、それぞれの事情に会社はどこまで配慮できるのか【BuzzFeed Japan / 小林明子】

長時間労働者の声が切なすぎる。「もしも定時に帰れたら」

ある東証一部上場企業では、毎年8月ごろになると、東京本社に「別室」ができる。入り口はパーテーションで目隠しされ、中の様子をうかがい知ることはできないが、そこには巨大なホワイトボードが設置されている。翌年3月に内示がある、年に一度の定期異動の準備のためだ。この部屋で、数百人規模の「転勤パズル」が組まれるのだ。

育成転勤と玉突き転勤

労働政策研究・研修機構は2016年11月、転勤の実態調査を発表した。転居を必要とする人事異動がある企業の割合は約3割(2004年)で、大企業ほど転勤が多かった。単身赴任者は年齢が高いほど多い傾向があり、50代男性では4.5%となっていた(2012年)。

転勤の期日や日数をルール化していない企業が過半数。社員の事情を「配慮する」としたのは約7割だった(2015年)。

15社のヒアリング調査(2015年)により、転勤には人材育成や経営幹部育成の目的がある一方で、人事ローテーションの結果、欠員が生じて玉突きとなった転勤も存在している、とした。

同じポストでスライド

東京都内の化粧品会社に勤める西岡愛さん(39)は、海外事業部に配属された2カ月後の昨年7月、会社員の夫(40)の福岡への転勤が決まった。

長男(7)が小学生になり、長女(4)のオムツも取れて、夫と協力すれば海外出張にも行けるようになる、と張り切っていた矢先だった。夫が会社から提示された任期は「最低でも3年」だった。

夫の転勤は「玉突き」では、と疑念が生まれた。営業職の夫は、福岡でも同じ営業の仕事をする。そろそろ課長ポストが空くので、同じ課長職から誰をスライドさせようか? そんな感じの異動だった。

あなたの成長のためにこの場所でしか経験できない仕事がある、とか、新しいプロジェクトを立ち上げるためにあなたの力が必要だから来てほしい、といったメッセージはなかった。

「夫が目をキラキラさせて希望に満ちて転勤するなら、私も子どもたちも応援したいし、覚悟もできます。でも・・・社員と家族の人生を変えてまで、会社は何を成し遂げたいのか。それがわからないから苦しいんです」

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最終更新:1/30(月) 12:01
BuzzFeed Japan