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日本の南極観測60年、世界で初めてオゾンホールを観測した日本隊

2/1(水) 14:41配信

THE PAGE

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 1957年に日本の南極観測が始まってから、今年で60年。過去、世界初のオゾンホール発見など、数々の研究成果をあげてきた。国立極地研究所の白石和行所長(68)は、取り組むべきテーマはまだまだ多くあり、地球温暖化の調査や地球環境の将来予測に貢献するためにも、今後も南極観測は必要と主張する。

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南極観測に関わった日本隊は3376人

 日本の南極観測は、1957~58年の世界66か国による国際的な研究プロジェクト「国際南極観測年」をきっかけにスタートした。1956年11月8日、53人の第1次南極地域観測隊を乗せた南極観測船「宗谷」が東京港を出港。翌1957年1月29日には、南極の東オングル島上に昭和基地が開設された。その後、現在南極にいる第58次観測隊を含め、のべ3376人(ヘリコプターのパイロットなど同行者を含む)が参加している。

 南極観測の成果の中には、南極上空にあるオゾンの量が毎年8~10月ごろに少なくなる現象「オゾンホール」の発見がある。紫外線を吸収するオゾンの量が減ると、皮膚ガンなど健康への影響が懸念される。

 1982年9~10月に、第23次観測隊はオゾンの量が急減する現象を観測した。当時、気象庁から加わっていた忠鉢繁(ちゅうばち・しげる)さん(68)は、観測にたずさわったうちの1人。

 1983年に帰国後、観測データを整理する過程で観測装置の故障も疑ったが、装置異常を示すデータも誤観測の証拠も見つからなかったため、国内外のシンポジウムで南極で観測したオゾンの急減現象、すなわちオゾンホールを世界で初めて発表した。

 「南極では、今まで見つかっていなかったものを見つけられたという点で良い経験をした」と振り返る忠鉢さん。オゾンホールの発見が、その後も気象庁気象研究所などで長年オゾンホールに関する研究に取り組む契機となった。

隕石の大量発見、採取も大きな成果

 隕石の大量発見、採取も大きな成果だ。これまで世界で発見された隕石の数は約6万個で、このうち5万個近くが南極で見つかっているという。日本はこれまで南極で1万7000個以上の隕石を採取しており、米国に次いで世界第2位の隕石保有国となっている。

 南極で隕石がよく見つかるのは、山脈の周辺。日本の観測隊は、隕石が山脈近くに集積するプロセスを解明した。南極の内陸部に降ってきた隕石は、氷の中にとじこめられた後、数千年から数十万年という長い年月をかけて、氷とともに海の方へ移動する。その際、途中に山脈があると氷の流れが阻まれ、やがて太陽や風のはたらきにより氷がなくなると中の隕石があらわれる、という仕組みだという。採取した隕石は極地研究所で分類後、国内外の研究機関に貸し出されている。

 ほかにも、氷のボーリング調査による気温周期や大気組成の変化などの研究、オーロラの発生メカニズムの研究や、アデリーペンギンに超小型カメラやGPSなどを取り付けて行動を観察する研究などにも取り組む。

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最終更新:2/1(水) 18:25
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