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妊娠中の退職合意「無効」判決 シングルマザーが語った復職への願い

2/2(木) 15:34配信

BuzzFeed Japan

東京都内の建築業者で働いていた女性(31歳)が妊娠中にした退職合意を無効とする判決を、東京地裁立川支部(荒木精一裁判官)が出した。判決(1月31日付)は、「退職合意が自由な意思に基づいたものだと認めるだけの、合理的な理由が客観的に存在すること」を、会社側が立証しなければならないという判断基準を示した。そして、本来であれば働けていたはずの期間の給与(月15万円)と慰謝料20万円、合わせて約250万円を支払うよう、建築業者側に命じた。

女性側代理人の増田崇弁護士は2月2日、厚生労働省で記者会見し、「多くの女性が妊娠をきっかけに辞めさせられている。これは、マタハラ問題の本丸だ。妊娠に伴う降格を無効とした最高裁判決の判断基準を退職合意にも適用した判決は、知る限り初めての画期的なものだ。波及効果は大きいだろう」と話した。【Buzzfeed Japan / 渡辺一樹】

事件の経緯

判決によると、女性は2014年10月、東京都多摩市の建築業者に雇われ、建築測量の仕事をしていた。妊娠がわかったのは2015年1月のことだった。

建築会社側は、妊娠中は建築現場での業務を続けるのは難しいと判断し、関連派遣業者への登録を提案した。女性は提案を受け、2015年2月6日に1日だけ、派遣先で就業した。

増田弁護士によると、女性は派遣先が遠方だったため、就業場所を変えて欲しいと連絡したところ、派遣会社から無視されたという。

その後、建築会社は「一身上の都合で6月11日に退職した」とする退職証明書と離職票を女性に送った。

これに対し女性側は「退職届も出しておらず、退職の合意はない」「これは実質的には、妊娠を理由とした解雇だ」と反論し、裁判になっていた。

判決のポイント

判決が示した判断基準は次のようなものだった。

「妊娠中の退職の合意があったか否かについては、特に当該労働者につき自由な意思に基づいてこれを合意したものと認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するか慎重に判断する必要がある」

この基準に基づき、判決は「(女性は)産後の復帰可能性のない退職であると実質的に理解する契機がなかった」「(女性には)会社に残るか、退職の上、派遣登録するかを検討するための情報がなかった」などと指摘。「自由な意思に基づいて退職を合意したものと認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在することについての、十分な主張立証が(会社側によって)尽くされているとは言えない」と判断した。

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最終更新:2/25(土) 1:09
BuzzFeed Japan

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