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福島の食品検査を縮小する?現場の嘆き「情報が伝わっていないのに……」

2/3(金) 8:45配信

BuzzFeed Japan

福島第1原発事故を受けてはじまった、食品の放射性物質検査。いま、体制の見直しが議論されている。安全性を示すデータは積み上がっているにも関わらず、県外には伝わっていない。いま縮小はベストの選択肢なのか?福島の農家が語る。「検査をゆるめるべきだ、厳しくすべきだという議論は全然、福島の農業の現場に寄り添っていない」【石戸諭 / BuzzFeed】

原発がある福島県大熊町のいま

事故からまもなく6年を迎える。福島県産の食品は、生産者の努力により、内部被曝調査をしてきた科学者が「人々が普段食べているものなら、福島産を食べることはまったく問題ないと断言できる」(早野龍五さん)と言うまでになった。

2月2日、東京都内で開かれた農林水産省など関係省庁による意見交換会「食品に関するリスクコミュニケーション」。この日の主題は、国が打ち出す放射性物質の食品検査体制の見直しだ。

農水省食品安全政策課の吉岡修課長の発言が端的に、国の姿勢をあらわしている。
「放射性物質の検査をしているから安心というステージから、リスクが低いから検査を効率化するというステージにいきませんか、というご提案をしているということなんです」

福島県郡山市の米農家、藤田浩志さんらパネリストとともに、関係省庁の職員が壇上にずらりと並び、会場から寄せられる質問に答える。

質問の中身から察するに、市民団体や行政の関係者などが多そうだ。

「国はリスクが低いと言っているが、いまの福島の状況は危険だ」「検査の縮小をすべきではない」といった質問に対して、官僚が淡々としたお役所言葉で答弁を繰り返す。

危険か、安全か。リスクが高いのか、低いのか。福島を巡り、繰り返されてきた議論が、この会場でも出てくる。その様子は、コミュニケーションというより、説明会あるいは、双方が意見を述べ合うだけの場といったほうが適切だ。

「誇りを持って福島県で農業をやっていきたい」

たまらず、手を挙げた藤田さんはこう切り出した。
「現場からすると、議論が『空中戦』(地に足ついていない)すぎる。検査をゆるめるべきだ、厳しくすべきだという議論は全然、福島の農業の現場に寄り添っていない。残念です」

そして、こう続ける。

「僕たち生産者が困っているのは、売り上げが下がった云々じゃない。築き上げてきたブランド価値や消費者との絆、後継者が頑張ろうというときにくじかれたこと。それが辛いんです」

「国が検査を縮小するというなら、もう少しポジティブに打ち出してほしい。福島県は世界でもっとも安全性が確認された農産物を出せる県にする。栄養価や美味しさを打ち出すとか、付加価値をつけたいと僕たちは思っている」

ふっと一息つき、一段と声を張り上げる。

「僕たちのことをみてほしい。僕たちは数字じゃなく、生きている。誇りを持って福島県で農業をやっていきたい」

その日、藤田さんは憤りを通り越して、疲弊しているようにみえた。

憤り、疲弊の背景にあるもの。いま、福島県の農産物を巡る最大の課題は、生産者が積み上げてきたデータがうまく伝わっていないという現状だ。
一つのデータからはじめたい。

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最終更新:2/3(金) 9:49
BuzzFeed Japan