ここから本文です

トランプ大統領の保護主義的な政策、保護主義の何がいけないの?

2/6(月) 10:10配信

THE PAGE

 就任したばかりのトランプ大統領が相次いで保護主義的な政策を実行に移しています。保護主義の高まりは経済にとってマイナスの影響が大きいといわれますが、具体的にはどのような影響が出てくるのでしょうか。

 トランプ氏が大統領に就任して最初に取りかかったのは、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)からの離脱と医療保険制度改革の撤廃でした。その後、NAFTA(北米自由貿易協定)について再交渉する方針を明らかにし、メキシコとの国境沿いに「壁」を建設するよう指示しました。また不法移民に対する規制を強化する大統領令にサインし、不法移民に寛容な都市に対する連邦政府からの交付金の削減も指示しています。

 トランプ氏は「米国の労働者を守る」と繰り返し発言しており、自国の生産設備や労働者を活用するよう企業に対して強く求めています。トランプ氏の政策は当面、この一点に集中するとみてよいでしょう。

 人の移動や輸出入など、モノやサービスの移動が政策によって制限された場合、一般的に世界経済の成長率は鈍化するといわれています。

 例えば、国によって関税が異なっている場合、経済学的には貿易転換効果と呼ばれる現象が発生します。ある国からの輸入品に高い関税がかかっていると、本来はその国から安く調達した方が得であるにもかかわらず、自国内での調達に切り替わってしまいます。消費者の購買力が同じだった場合、高いモノやサービスが増えてしまうと、他の消費に回る余力がなくなるため経済成長にとってはマイナス要因となるわけです。

 もちろん国内生産に切り替わった分、その労働者の所得は増えますが、経済全体で見た場合、その労働者はもっと付加価値の高い別の労働に従事した方が生産性は上昇しますから、最終的にはメリットをもたらさないという理屈です。

 現実には、国内の労働者を完全に適材適所で配置できるわけではありませんから、とりあえず仕事がない労働者に職を与えることは所得を増やす効果をもたらすでしょう。また米国は日本などの諸外国とは異なり、エネルギーや食糧など重要品目をすべて自給することが可能です。今後は移民の流入が減少するとはいえ、すでに多くの移民が米国内で生活しており、彼等が低賃金労働を支えています。一部の製品を国内生産に切り替えたところで、全体への影響は大きくないかもしれません。

 ただ、極端な保護主義政策が継続した場合、世界経済の成長率が鈍化する可能性が出てきます。特に米国にモノを売って経済を成り立たせている、日本、中国、メキシコといった国は大きなダメージを受けることになります。米国は自国第一主義に切り替えましたので、こうした状況についてはあまり気に留めていないようですが、世界経済が鈍化してくれば、やがては米国経済にとってもマイナスの影響が大きくなってくるでしょう。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2/13(月) 10:12
THE PAGE