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リオ代表を逃した敗戦を受け止め、一心不乱に「自分の陸上」に向き合った熊谷が、初制覇!~日本視覚障がい男子マラソン選手権

2/6(月) 11:26配信

カンパラプレス

 第66回別府大分毎日マラソン大会が2月5日、大分市高崎山うみたまご前から大分市営陸上競技場までの42.195kmのコースで行われた。今年から併催されることになった日本視覚障がい男子マラソン選手権大会では熊谷豊(T12/AC・KITA)が2時間31分47秒で優勝を果たした。

 同選手権には6選手が出走。熊谷はスタートから勢いよく飛び出してトップに立つと、あとは一般選手に混じり、今大会の目標としていた2時間30分を切るペースで順調にレースを進めた。レース後半に入り、カーブや傾斜のきつい国道の路面に足が重くなり少しペースが鈍った。また、38kmと41km付近では少し立ち止まり嘔吐するアクシデントがあったものの、大きく崩れることなく自己最高(2時間31分25秒)に迫る力走を見せた。

 熊谷はレース後、「優勝よりもタイムにこだわっていました。ベストが出でなくて、残念。2時間30分切りを目指していたので、70点がいいところかなと思う。気持ち的な部分で負けてしまった部分がありました」と反省点を口にした。目指すところはもっと上にあるからだ。

 昨年、リオデジャネイロパラリンピックの出場権がかかっていた別大で、熊谷は終盤まで2位を守っていたが、猛追してきたロンドン・パラリンピック5000m銅メダリストの和田伸也(T11)に41km付近で抜かれ、約20秒差で代表切符を逃した。当時の自己最高を4分近く更新する2時間34分6秒の快走だったが、満足感はなかった。特に、障がいクラスの異なる全盲の和田に負けたことが悔しさを募らせたという。

 熊谷の障がいは先天性無虹彩症のため網膜に入る光量の調節機能をもつ「虹彩」が欠損しており眩しい光が苦手というもので、医療用サングラスの着用で対処することで単独走も可能な弱視クラスT12に該当する。全盲のため伴走者を必要とするT11クラスよりハンデは少ないからだ。

 悔しさを晴らすには立ち止まってはいられない。「自分の陸上に集中しよう。大会ごとに目標を設定して、一つひとつクリアしていこう」。以前から、練習へのストイックさには定評があったが、その姿勢はますます高まり、フルタイムで勤務しながら月間600kmから700kmを走り込んだ。

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最終更新:7/14(金) 20:21
カンパラプレス