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国民最後の財産「公的年金」を米国インフラに投資するってどういうこと?

2/8(水) 9:30配信

THE PAGE

 10日に予定されている安倍首相とトランプ米大統領の首脳会談において、日本の公的年金を米国のインフラ投資に振り向けるプランが提案されるとの報道が出ています。トランプ大統領が公約として掲げるインフラ投資に安倍政権が一役買おうということなのですが、公的年金の資金を他国のインフラに投じることについては、どう考えればよいのでしょうか。

トランプ大統領は巨額のインフラ投資を公約

 トランプ大統領は選挙期間中から10年間で総額1兆ドル(約113兆円)という巨額のインフラ投資を公約として掲げてきました。当選後も基本的な方針は変わっていませんが、この金額を本当に実現できるのかについては懐疑的な見方もあります。

 共和党には、大型の財政出動に対する警戒感があり、議会との調整が難航する可能性があるからです。こうした状況から、全額を政府が出すのではなく、民間などから資金を集めてファンドを組成し、そこに政府が融資を行うという案も浮上しているようです。

「政府として検討しているわけではない」

 今回、報道された内容は、日本の公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の資金を、この米国のインフラ投資に拠出しようというものです。

 報道に対して、安倍首相は「政府として検討しているわけではない」と否定しており、GPIFも「検討している事実はない」としています。GPIFは運用先について独自に検討するルールになっており、政府がどこに資金を投じるのか具体的に指示することはできません。

 しかしながら、GPIFが海外のインフラ投資の案件に出資すること自体は、以前から検討が重ねられてきました。2014年10月に発表されたGPIFの運用見直し案では、全体の5%を上限に、インフラ投資を含むオルタナティブ投資(株式や債券など伝統的資産以外への投資)に資金を配分する方針が示されています。

公的年金は国民にとって最後の財産

 こうした経緯を考えれば、米国のインフラに投資すること自体は、条件に合致する案件である限り、一概に否定されるべきものではないでしょう。今後はドル高が予想されており、トランプ氏の経済政策が実現すれば、米国は好景気が継続する可能性が高まります。米国のインフラへの投資は良好なリターンをもたらすかもしれません。

 しかしながら、公的年金は国民にとって最後の財産であり、運用先の選定は慎重に行う必要があります。政治的な理由のみで、十分な検証がないまま投資を決断するようなことはあってはなりません。もっとも、この話は国内の株式投資についても同じことが言えます。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2/15(水) 10:16
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