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「自爆犯求む」英海軍皮肉るポスターが物議に

2/7(火) 16:15配信

The Telegraph

【記者:Adam Boult】
英国の首都ロンドン(London)市内のあちこちのバス停に「自爆犯を求む」と呼び掛けるポスターが出現している。

 一見すると、少し変わった文言の英国海軍(Royal Navy)の兵士募集ポスターのようだ。海軍の旗章が描かれ、原子力潜水艦の乗組員になるための情報を提供する海軍のサイトのアドレスも記されている。

 ただし、ポスターにはこう書かれている。「わが原子力潜水艦のクルーは自爆のミッションを担っている。搭載するミサイルの発射は死を意味する。潜水艦の乗組員だけでなく、罪のない大勢の人々、そして私たち全員が死滅する」

 このポスターは、アーティストのダレン・カレン(Darren Cullen)さんがデザインしたもので、「スペシャル・パトロール・グループ(Special Patrol Group)」と呼ばれる活動家グループが市内各地に張り出した。英国の覆面アーティスト、バンクシーのプロジェクト「ディズマランド(Dismaland)」にも出品したことのあるカレンさんは、英国の核ミサイルおよびミサイルシステム「トライデント」への反対をこのポスターで訴えた。

「このプロジェクトを始めたきっかけは、トライデントを配備している原子力潜水艦の乗組員が死に至る恐れがあると分かったからだ」と説明した。

 そして、これは「自爆攻撃」と同じだが、非難されないのは「欧米社会のダブルスタンダードのため」と指摘し、「私たちはテロリストの自爆攻撃は恥ずべき行為だと見なすのに、短時間で何百万人をも殺し、人類の文明を滅ぼす威力のある自分たちの核自爆は卑劣だと思っていない」と続けた。

 この「自爆犯になろう」ポスターに対し、ソーシャルメディアでは怒りの声も上がっている。「NavyLookout」というアカウントは「下品で幼稚で、曲解したプロパガンダであり、勇敢な軍人たちに対する侮辱だ」と投稿した。

 一方のカレンさんは、「このポスターを海軍兵への攻撃だと捉えている人もいるが、私が攻撃しているのは兵士らの命を犠牲にし、世界を破滅させることもいとわない『組織としての軍』だ」と語る。また、英政府が核兵器に固執することを「危険で、高くつき、破滅をもたらしかねない狂気の表れ」と考える人々からは多くの支持を得ているとした。

 海軍の元武器技術者で核ミサイル防衛システムの欠陥を内部告発したウィリアム・マクニーリー(William McNeilly)氏は、ポスターの意義を支持する一人だ。同氏はロシアの英語テレビネットワーク「RT」に、「原子力潜水艦の乗組員たちは、核戦争が始まればトライデントを搭載した潜水艦が第一の標的にされることを知っている」と語った。「彼らは自爆する覚悟ができている」【翻訳編集】AFPBB News

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最終更新:2/7(火) 17:20
The Telegraph