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GEが火力発電で日本に本格進出、日本メーカーは対抗できるのか?

2/9(木) 15:47配信

THE PAGE

 米国の重電大手ゼネラル・エレクトリック(GE)が、日本で大型火力発電所の建設に参入するとの報道が出ています。カギになるのは、あらゆる機器をネットに接続して高度なサービスを提供するIoT(モノのインターネット)です。場合によっては、日本メーカーの独占が続いてきた国内市場が大きく変わる可能性も出てきました。

競争力のカギを握るのは高度なAI技術

 製造業におけるIoTの影響は極めて大きいといわれています。IoTを本格的に導入すれば、機器のデータがリアルタイムでメーカーのクラウドに送られ、どの部品がいつ故障しそうなのか、AI(人工知能)が予測するようになります。

 従来、産業用機器の分野では、定期点検を行うことが当たり前であり、そこで部品の劣化が見つかった場合には、部品を交換するという仕組みになっていました。しかしIoTが本格的に普及すると、こうした定期点検が不要となり、必要に応じて部品を交換するという流れに変化するともいわれています。

 また運転状態をリアルタイムで監視することにより、どうすれば燃費を抑えることができるのかといったアドバイスも可能になります。つまり製造業はただ製品を納入するだけでなく、その後の運用も含めてまるごと顧客から請け負う、一種のサービス業に変化するわけです。ここで競争力のカギを握るのは、製品の技術力もさることながら、高度なAI技術ということになります。

世界をリードしているのは米GEと独シーメンス

 この分野で現在、圧倒的に世界をリードしているのは米GEと独シーメンスの2社でしょう。日本メーカーも必死に追い上げていますが、東芝は現在、経営危機が囁かれており、もはや会社が存続できるかどうかの瀬戸際です。三菱重工もジェット旅客機MRJの度重なる納入延期や客船事業での巨額損失などで経営に余裕がありません。GEやシーメンスとの差は開くばかりというのが現実のようです。

 火力発電事業は、国内情勢との関係が深く、外資系企業にとっては非常に不利な分野です。このため火力発電所の設備のほとんどは日本メーカーの独壇場となってきました。しかし、電力小売りの自由化がスタートしたことで状況が大きく変わっています。新規参入の新電力会社はもちろんのこと、東京電力など既存の電力会社もコストやサービスを強く意識するようになり、発電所の設備も国内メーカーにはこだわらなくなりました。

富津火力のプラントはGEが受注

 実際、東京電力の富津火力発電所の新しいプラントは国内メーカーではなくGEが受注しています。しかも東京電力とGEはIoTを使った火力発電所の運営について提携することを発表しました。今後は、GEやシーメンスといった海外の一流メーカーが、高度なIoT技術を売りに日本市場の開拓に積極的に乗り出してくる可能性が高いでしょう。特にGEは米国企業ですから、トランプ政権による政治的圧力という後ろ盾もあります。

 日本メーカーは全力で対抗しなければなりませんが、日立を除く各社の経営状況を見ると、それどころではなさそうです。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2/16(木) 16:13
THE PAGE