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「テロを計画している」と顔写真拡散された沖縄のアフガン人 デマは「本当に悲しかった」

2017/2/8(水) 6:00配信

BuzzFeed Japan

「オフライン」でも広がったデマ

しかし、翌朝。アフマドさんはさらに、傷つくことになる。

「友人から電話がかかってきて、私に関するデマが、基地の外でも拡散していることを知ったんです」

情報や顔写真はTwitter、Facebook、さらにはLINEを介して広がり、飲み屋など「オフライン」でも共有されていたのだ。

「本当に悲しかった。米軍基地とは直接のやり取りを普段していません。しかし、沖縄の多くの人たちとは常に関わりがあり、このデマが私の会社やビジネスに大きな被害をもたらすと思ったんです」

友人たちとともに、すぐに県警に相談。さらに友人がFacebookなどでデマ潰しに奔走した結果、幸いにして、画像の多くが削除されることになった。

一時は米軍側の刑事告訴も検討したが、「大きな問題にしたくはない」ということで止めたという。

「米軍の人たちは謝罪し、投稿も削除し、2度とそういう間違ったデマを流さないと約束してくれましたから」

それでも、いまだにネット上に残るものがある。自分や家族に危害が加わるのではないかという不安はなくならない。

見た目や出自で判断しないで

アフマドさんは言う。

「本の内容を表紙で判断できないように、誰かの故郷や宗教や文化で、その人自身を判断することはできません。その人について知らない限り」

「その人が何の宗教を信じているかではなく、その人の日々の振る舞いこそが、誰かを判断するときに必要なものなのです」

自身の出自によってこうしたことに巻き込まれたことに、動揺し、傷ついた。それでも、「イスラム教は、平和と非暴力を説く宗教なんです」と強く訴える。

「コーランを読んでも、テロなんて言葉を見つけることはできません。書かれていることはすべて、平和についてのことなんです。テロリストを名乗る人たちは、ムスリムではありません。イスラムを学んでいれば、そんなことをするはずがない」

ISISの台頭や各地で頻発するテロにより、アメリカ同時多発テロ以後から根付いてしまった「イスラム教」への悪いイメージは、拭いきれていない。欧米では「イスラモフォビア」(嫌悪)が蔓延し、社会の分断も進む。

日本においてもそれは例外ではない。中東出身者やイスラム教徒というアイデンティティーにネガティブな感情が包含されていることが、今回の件で図らずも明らかになってしまった。

どうすれば良いのか。アフマドさんは、何かを願うように、こう語った。

「イスラムという言葉を聞いてテロを連想してしまう人、恐怖を覚えてしまう人は、ぜひ一度、イスラムについて学んだり、コーランを読んだりしてみてほしい。そうすれば、私たちの信じている神様アッラーが、私たちに何を望んでいるのかが、わかってもらえるはずですから」

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最終更新:2017/2/8(水) 6:00
BuzzFeed Japan