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逃げ恥は意識しない...わかりやすさを求めない「カルテット」の孤独な挑戦

2/12(日) 10:01配信

BuzzFeed Japan

「逃げ恥のプレッシャーはびっくりするくらいなくて。想像以上にのびのびしていて申し訳ない」

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TBSドラマ「カルテット」の佐野亜裕美プロデューサーはBuzzFeed Newsの取材に、少々自嘲気味に答える。その顔に嘘はない。
【BuzzFeed Japan / 徳重辰典】

昨年大ヒットした「逃げるは恥だが役に立つ」と同じ火曜10時枠で始まったドラマは、松たか子、満島ひかり、高橋一生、松田龍平の4人の実力派俳優たちが織り成す大人のラブストーリーだ。

視聴率こそ2桁を超えていないが、放送されるとTwitterなどSNS上では大きな盛り上がりを見せ、じわじわとファンを増やしている。

「このドラマの不思議なところは、脚本家の坂元裕二さんとも話していたんですけど、視聴者の方が私たちも想像しなかったことを深読みしてくださるところです」

例えばドラマで満島演じるすずめが、いつも飲んでいる三角パックのコーヒー牛乳。

「あれは、形がかわいいから選んだだけなんですけど、三角すいは正四面体で、実はカルテットという意味を持つとネットで書かれていて、私たちも『へえ』と感心しました」。

ジブリ映画「耳をすませば」でヴァイオリン職人を目指す天沢聖司の声を務めた高橋一生が、今作でヴィオラを演奏していることを意図的な演出と考えるファンもいたが「ネットで見て『ああ、そうだった。聖司くんだ』と気付きました」という。

ドラマ1話のタイトルバックで、主演4人が奏でた「ドラゴンクエストのテーマ」にも大きな意味はなかったが、視聴者は「勇者を助ける3人のパーティ」と予想外の意味づけをした。

佐野はファンの深読みを「ドラマの神様がいるなら、いたずらしているのかな。ドラマという複数の人の手が加わりできる総合芸術の醍醐味だと感じています」と話す。

2人の夫婦という案も

ドラマ「カルテット」の制作のきっかけは5年以上前に遡る。

2012年1月から放送されたドラマ「運命の人」の打ち上げで、まだアシスタントプロデューサーだった佐野は、演出を務めた土井裕泰(「カルテット」でも演出)に坂元と仕事がしたいと伝えた。

2012年末、プロデューサーになったばかりの佐野は土井に紹介してもらい坂元と会い、坂元と松たか子と一緒にドラマを作りたいと話した。

松には「運命の人」で演じた良き妻ではなく、映画で見せる、時にブラックなコメディエンヌの表情を出してもらいたいと考えていた。

そこから具体的にどの役者がいいか、どんな話が合うのか時間をかけて詰めていった。

主演の4人はファーストオファーで出演を承諾してくれた。満島は別のドラマでも何度かオファーし、手紙でオファーしたこともあった。

「2014年ぐらいにご本人にお会いする機会があって『手紙をもらうことはあるけど、女性からもらうのは初めてです』と言われた気がします」。

役者が決まった時点で、物語はまだ確定はしていなかった。坂元の代表作「最高の離婚」を思わせるような2組の夫婦という案もあった。

だが「4人の絡み方のいろいろなパターンを考えた時、結婚していると不倫が起こってしまう。三角関係でドロドロ、にもしたくない。もっと純粋な片思いや、秘密のベクトルをみたい」と現在の形に落ち着いた。

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最終更新:2/12(日) 12:12
BuzzFeed Japan