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恋愛マンガ「1万ページ」統計分析した男 たどりついた「女心」の真理とは? ダメな私を「一方的」に…

withnews 2/16(木) 7:00配信

 女性向けの漫画雑誌における恋愛表現を、片っ端から調べまくった人がいます。2016年に発行された28誌356作品、1万2580ページ。しかもそれを、統計的手法で分析したというのです。恋愛漫画、それは女性のファンタジーが詰まった世界。女心の奥底を、数字からのぞいてみましょう。(朝日新聞東京社会部記者・原田朱美)

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1万2580ページを分析

 調べたのは、牧田翠さん(ペンネーム)。男性です。

 ごく普通の、30代の会社員です。

 分析対象は、4ジャンル。「りぼん」などの児童誌(3誌)、「花とゆめ」などの一般誌(8誌)、性的要素が濃くなるティーンズラブ誌(13誌)とレディースコミック誌(4誌)です。

 2016年に発行された4ジャンルの28誌の356作品、ページにすると1万2580。もちろん自腹です。

 うーん。「よくやりましたね」の一言です。

 調査項目は、女性キャラ・男性キャラの属性、関係性、ストーリー展開、体の接触表現などなど、ありとあらゆる要素に及びます。

 結果をまとめた同人誌「恋愛統計」(全64ページ)を開くと、数字とグラフがぎっしりです。
 実は牧田さんは、「エロマンガ統計分析家」として、10年ほど前から活動しています。

 仕事の合間にコツコツと分析を続け、結果をまとめた同人誌をコミケに出店するほか、ネットで販売しています。過去作は男性向けのエロマンガ分析が多いですが、昨年取り組んだのが、女性向けの恋愛漫画です。

「これで、エロの各ジャンルをひととおり分析できたかなと思います」と、満足げです。
 
 大学院時代に統計分析を学び、以来、エロマンガを社会的に、ジェンダー的に、分析し続けています。

王道の「ハイスペック王子様」

 さて、この労作「恋愛統計」の分析結果をご紹介していきましょう。
 
 女性向けの恋愛漫画の特徴を一言で表すと……「ハイスペックな男性が、劣等感に悩む女性主人公を愛してくれる」です。

 数字で見ると、一目瞭然。

 男性キャラの属性で多かった要素は、「有能」、「容姿端麗」、「名声」が飛び抜けています。

 たとえば「有能」は、児童誌の54%、一般誌の34%、ティーンズラブ(TL)誌の55%を占めます。
 
 「ハイスペック王子様」は、王道ですね。

 一方の女性キャラで多い属性は「劣等感」。児童誌の70%、一般誌の67%、TL誌の53%と高い割合です。

 仕事がうまくいかない、親から結婚を迫られている、お金がない、太っている、自分に自信が無い……。こじらせまくりなヒロインたちです。「仕事ができる女性」という設定の作品もありますが、その場合は「有能ゆえに孤立している」「女として見られない」といった劣等感を抱えています。

 牧田さんは、こう分析します。

 「悩むヒロインは、現実の反映でしょう。現代社会では、女性であること自体がハンディキャップになります。賃金、昇進、結婚、出産……。ヒロインが抱えている悩みは、読者が解決してほしい悩みでは」

 どんな立場の女性も、いろいろ抱えていますからね。

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最終更新:2/16(木) 9:42

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