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日本の厳しい規制の下、偽造薬が出回るってどういうこと?

2/14(火) 10:30配信

THE PAGE

 安全性が担保されていると思われていた日本の医薬品に対する信頼性が揺らいでいます。C型肝炎治療薬の偽造薬が薬局チェーンで発見されるという、従来では考えられなかった事件が発生したからです。

 偽造薬が発見されたのは、ギリアド・サイエンシズ社が販売しているC型肝炎治療薬「ハーボニー配合錠」です。奈良県内の薬局チェーンで偽物が発見されたことから、厚生労働省が調査に乗り出しました。その結果、いくつかのパターンの偽造薬が出回っていることが明らかとなりました。

 本物のハーボニー配合錠は、菱形でだいだい色をしていますが、奈良県内で見つかった偽造薬は薄い黄色で形状も異なっていました。成分を分析したところ、複数のビタミンを含有する錠剤であることが判明しました。別のケースでは、同じボトルの中に、類似の医薬品であるソバルディと、紫色をした小さな錠剤が混在しており、紫色の錠剤は漢方薬でした。このほかにもいくつかのパターンがあるようです。

 日本では医薬品の流通は厳しく規制されています。一般的な医薬品ですら、ネット販売が制限されており、薬剤師の常駐や対面・電話での相談体制が整備されていなければ、ネット事業者は薬を売ることができません。こうした規制に対しては、薬剤師や調剤薬局の政治利権になっていると批判する声も大きいのですが、それでもこうした規制が許容されてきたのは、薬の安全性を担保するという大義名分があったからです。

 しかし今回、偽造薬が発見されたのは、れっきとした調剤薬局であり、しかも処方箋がなければ買うことができない薬です。こうした薬で偽物が発見されるということは、絶対にあってはならないことであり、日本の医薬行政の根幹に関わる問題といってよいでしょう。

 ちなみに今回の事件を受けて、厚労省では流通ルートの調査も進めていますが、全体像はまだ分かっていません。しかし、薬の流通ルートは極めて複雑で、卸業者が何回も転売を繰り返している実態が明らかとなっています。偽造薬はこうした複雑な流通ルートの中で混入した可能性が高いと考えられます。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:2/21(火) 7:14
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