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モデルの芸者姿が物議 米VOGUEにみる根深い問題

BuzzFeed Japan 2/17(金) 16:07配信

芸者のような格好で米VOGUEに登場したモデルのカーリー・クロスが、Twitterで批判を浴び、謝罪した。今回の一件は、「芸者」から欧米人が連想する従順なアジア女性のステレオタイプを、米VOGUEという世界的ファッション誌が編集に利用したため起きたことで、そこには一人のモデルのレベルを超えた、ファッション業界の根深い問題がある。
【Jennifer Hope Choi、中野満美子/BuzzFeed Japan】

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他者をエキゾチックな物語の中に閉じ込めようとする欲望

白人モデルのカーリーは「神隠し」と題された6ページにわたる写真特集に、芸者風のスタイリングで登場。力士の隣に立ったり、手水場で手を洗ったりしている。

カーリーの写真を強く非難する人たちは、ハリウッドを賑わせる白人化(whitewashing)の現象を引き合いに出す。「Aloha」「ゴースト・イン・ザ・シェル」「ドクター・ストレンジ」などの映画で、エマ・ストーン、スカーレット・ヨハンソン、ティルダ・スウィンドンら白人女優がアジア人の役を演じているのがその例だ。Twitterでは、カーリーが芸者に扮するのは、この白人化現象をと同じだと指摘する声が上がった。

問題の写真が掲載された米VOGUE3月号は、人種と文化の多様性にフォーカスした「ダイバーシティー(多様性)特集」号だった。そのような特集に、白人モデルがアジア人のようなメイクをして登場することに違和感を感じた人は多かったようだ。カーリーがこの撮影の仕事を獲得した陰で、何人の日本人モデルが見送られたのか、という声もあった。

筆者は、このような意見は的外れだと思う。もし日本人モデルがカーリーの代わりに出演していたなら、日本人が自ら、日本文化を傷つける形になっていただろう。芸者は芸事で客をもてなす伝統的な職業だ。一方で、その艶かしく従順なイメージは、アジア系女性に対するステレオタイプと結びついてきた。

今回の米VOGUEの問題は、カーリー個人よりも、欧米人の持つ「芸者」のイメージそのものにある。他者を、異質な存在として、エキゾチックな物語の中にだけ閉じ込めようとする、欲望こそが問題なのだ。

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最終更新:2/18(土) 11:53

BuzzFeed Japan

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