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アパート経営の一括借り上げは本当にメリットがあるか?

2/20(月) 18:40配信

ZUU online

不動産投資をしているオーナーにとって一番のリスクは、言うまでもなく空室になることです。部屋が空いてしまえばその部屋の家賃収入が0になる一方、借入金返済や固定資産税などの支払い、修繕費などの支出は継続しますので、これでは一体何のために不動産投資をしているのか分からなくなってしまいます。

そこで、最近オーナーに人気なのが、一括借り上げ(サブリース)契約です。これは所有する物件に空室が出たとしても、契約上最低限の家賃保証はするというものです。大手ハウスメーカーや賃貸アパート建築会社が、新たに建物を建てるオーナーに対して提案をするケースが多いようです。

■一括借り上げとは

法的側面からの一括借り上げとは、オーナーが所有する不動産投資物件の部屋を不動産会社やハウスメーカー(以下サブリース業者)が借り上げ、さらにその会社が実際の賃借人に貸し出すものです。オーナーからすると、契約期間中は空室リスクに気を使う必要がなく、安定した収入が得られます。しかし、サブリースの家賃はサブリース料を差し引かれますので、、オーナーの手取りは小さくなります。

所有する物件の所在地などによって異なりますが、おおよそ5~10%程度差し引かれるケースが多いようです。

■一括借り上げのメリット

次に一括借り上げのメリットですが、何と言っても空室リスクの心配がなくなることです。周辺の家賃相場と比較すると手取り家賃は少なくなりますが、家賃収入が大きく減ってしまうことや、まるっきり入らなくなるということは回避できます。家賃の未納が発生した場合でも、サブリース業者が立て替えを行ってくれます。

また、一般的にサブリース業者が家賃収受や入金管理、賃借人からの修繕クレームなどの対応、空室になった場合の募集業務なども行いますので、オーナーにとっては手間がかからない点も大きなメリットと言えるでしょう。サラリーマンなどは本業を持っているため、不動産投資に時間を割かれることは避けたいと思う方が多いのではないかと考えられます。

■一括借り上げのデメリット

しかし、一括借り上げにもデメリットは存在します。前述の通り、サブリース料を差し引かれるため、通常の周辺相場と比較して5~10%低い金額がオーナーに支払われます。当然、収益が低くなる点は理解しておきたいところです。

また、よく「家賃30年一括保証」と銘打ち、オーナーに安心感を与えるサブリース会社もありますが、実態は2年から5年ごとに最低保証家賃を見直すケースが多いようです。サブリース会社の家賃の減額は、最高裁で適法と認められたケースもあります(平成15年10月21日判決)。仮に2年ごとの見直しで一部屋2千円の家賃減額改定がなされた場合、10年間では5回引き下げが行われますので、当初家賃から1万円減額されることとなります。

さらにサブリース契約は、20~30年の長期契約になりますが、出口戦略で当該物件をサブリース契約期間中に売却する場合、違約金としてかなりのペナルティーが発生する場合もあります。賃料の4~6か月分となるケースが多いようですが、この負担は相当なものだといえるでしょう。

■運用するうえでのポイント

サブリース契約は、オーナーに安心感を与える点では有効な手段の一つです。しかし、サブリース契約を締結しなくても十分利益が上がることもあります。そこでサブリース契約を締結する前に、もう一度必要なポイントをおさらいしていきましょう。

1つめは、「不動産投資は不動産経営だと認識すること」です。不動産投資をするということは、物件を手に入れ、家賃収入を得て、さらにいろいろな経費を差し引いて最後に税金を支払うというもので、会社経営と同じです。不動産投資を行うに当たっては、その土地に賃貸ニーズがあるのか、周辺相場はどうなのかなどのマーケティング活動から始まり、少しでも安い経費で抑える工夫をしたり、将来の修繕に備えたりするなど経営者の視点が必要です。あくまで一括借り上げに固執することなく、将来の賃貸需要まで考慮に入れたうえで不動産投資を行いましょう。

2つめは、当該物件の立地です。都心や周辺に学校や職場などが点在するなど、もともと賃貸需要がある物件にサブリース契約を付ける必要性はありません。サブリース契約の損得をじっくりと比較してみましょう。

3つめは、契約書のチェックです。もし、サブリース契約を締結することを決断した場合、賃料見直しまでの免責期間、契約解除に関する項目、更新料や敷金、礼金の取り扱いなど、不明な点は必ず事前に明らかにしておきましょう。

ここまで「一括借り上げ」のメリット・デメリットを紹介してきました。しかし、そもそも論として空室リスクの少ない条件において適正かつ納得のできる賃貸利回りのアパート経営を目指すべきです。また、その実現を共にできる信頼のおける不動産会社をパートナーとしたうえで、状況に応じて一括借り上げの利用を検討するがベストではないでしょうか。(提供:アパート経営情報)

最終更新:2/20(月) 18:40
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