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イチゴ「恋みのり」育成 大粒で多収そろい良し 今春から苗を供給

2/21(火) 7:00配信

日本農業新聞

 農研機構・九州沖縄農業研究センターは20日、大粒・多収のイチゴ新品種「恋みのり」を育成したと発表した。単価が高い12月~翌年2月末までの収量が多く、2L以上の大玉率が8割以上になるため、高い収益性が期待できる。果実の形状のそろいが良いことから調製作業などを軽減でき、規模拡大に適している。熊本や長崎、大分などで試験栽培を進め、今春から種苗会社などが苗の販売を始める予定だ。

 平均果重は1粒22.5グラムで、1株当たりの平均収量は1055グラム。同センターは「従来の大玉系より収量は3割多くなる」と説明する。収穫は、促成栽培だと11月下旬から。シーズン通して糖度と酸度の変動が小さく、食味は安定している。

 果実は適度に硬く、輸送の傷みが少ない。長距離の輸送性に優れるため、輸出向け品種としても期待できると同センターはみる。現在、試験輸出で実用性を確認している。

 草勢は強い。花房がよく伸びるため、果実を見つけやすく、同センターの実証試験では、収穫時間が1キロ当たり120秒で済み、大玉系の「あまおう(福岡S6号)」の162秒と比べ42秒(26%)短縮できた。

 さらに、大玉で形状のそろいが良いため、調製作業も省力できる。同様の実証試験で、1キロ当たりの調製時間は108秒で、「あまおう」の198秒と比べ90秒(46%)短くできた。

 イチゴ栽培では10アール当たり労働時間が2000時間程度と負担が大きく、そのうち6割程度を収穫・調製作業が占める。同センターは「パッケージセンターを整備した大規模生産に適する品種として期待される」としている。

 良食味の「ひのしずく(熊研い548)」と大粒で多収の早生系「03042―08」を交配して開発。16年9月に品種登録を出願した。栽培適地は、宮城から鹿児島の促成栽培地域。

 熊本県阿蘇市で「恋みのり」を試験栽培するイチゴ農家は「着色が良く、うどんこ病にも強い。高冷地での栽培に適している」と評価。「今後は面積を拡大していく」と意気込む。

日本農業新聞

最終更新:2/21(火) 7:00
日本農業新聞