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なぜ投資信託には複数の会社が絡むのか? 知っておきたい基礎知識

2/22(水) 16:15配信

投信1

「投資信託って仕組みがわかりづらい」、「債券や株式に直接投資するより色々コストがかかる」というイメージが個人投資家の皆さんにあるとすれば、1つの原因は関わるプレーヤーが多いことかと思います。

そこで今回は、投資信託に関わる主なプレーヤーの役割を説明したいと思います。

「そんなの読まなくても知っているよ」という方も多いと思われますが、各々のビジネスモデルを認識することにより、「健全な猜疑心(sound sceptism)」を持った、より良い判断につながると思います。

というのは、個人投資家が投信を購入したり解約したりする際、商品提供や運用に関するアドバイスがビジネス上の都合で必ずしも中立とは言えない場合もあることを理解できるからです。

投資信託の主なプレーヤー

投信の主なプレーヤーには3者あります。委託会社(委託)、販売会社(販社)、受託会社(受託)です。

この3者の関係を他業種の方にイメージが湧くように例えると、アパレルであればデザインと製造担当が委託会社、ブティックやデパートが販売会社、物流が受託会社です。芸能界であれば作詞作曲が委託、歌手が販社、受託はマネージャーという感じでしょうか。

各々の役割を以下に解説します。

プレーヤー1:委託会社

委託会社は投信の商品設計、運用、基準価額の算出および公表を行います。運用という投信の中核的な付加価値を提供する役割です。運用会社とも呼ばれ、むしろその方がなじみやすいかもしれませんが、ここでは委託会社とします。

運用を「委託」するのは投資家ではないか? と思われるかもしれません。そのあたり紛らわしいのですが、市場に出るのは受託会社である信託銀行名義であり、受託会社に資産を委託して運用の指図を行うという信託の仕組みから「委託会社」と呼ばれます。

外資系の場合は特にそうですが、国内系でも実際の運用機能はさらに海外の提携先(外部委託先等)が担い、日本の委託会社は対象資産の売買を行わないケースもままあります。

また、商品説明や勧誘資料である目論見書や販売用資料、運用の結果である運用報告書、月次レポート等も委託会社が作成しています。

委託会社のビジネスモデルは、1つの運用を長い期間、残高を多く続けるのが一番儲かります。なぜなら、できるだけ同じ運用戦略を使って大きな金額に適用すると、ファンドマネージャーやリサーチ担当者、アナリスト等のリソースが効率的に活用できるからです。

ゆえに、マザーファンド/ベビーファンドと言われるファンド構造や、海外親会社のファンドをくるむファンドオブファンド構造を使って運用プラットフォームの効率活用を図ります。

言ってみれば自動車の車台の共通化のようなものですね。逆に多品種少量生産は最も経営効率が悪いので委託会社は志向しないものです。個人投資家のニーズ各々に応えられればいいのですが、千差万別なので最大公約数の商品を作り、大量販売してくれる販社に委ねるか、販社の数を増やすことに注力します。

委託会社の報酬は、信託報酬という日々ファンドの残高に比例してかかる報酬のうち、委託会社に配分されるものが収入となります。コストは運用およびリサーチ担当者、基準価額計算事務担当者、レポート作成者、販社宛て営業担当者等の人件費に加え、マーケットデータや各種資料の印刷費等がかかってきます。

理想的には、1本の巨大ファンドがあれば事務やレポート作成のコストは固定費なので損益分岐点が下がり、収益力が高く左うちわということになります。しかし、当然ながら一本足打法のリスクと裏返しです。

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最終更新:2/22(水) 16:15
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