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シリア女性「いっそ殺してと頼んだ」政府刑務所での拷問の実態告白

2/22(水) 13:54配信

The Telegraph

【記者:Josie Ensor, BEIRUT Yasser Alhaji, GAZIANTEP】
 シリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権の最も悪名高い刑務所の一つの地下監房に3年近く収容されたラシャ・シャルバジ(Rasha Sharbaji)さん(34)は、わが子らに再会し、新鮮な空気が吸える日が来るとは思っていなかった。精神的な拷問がつら過ぎて、殺してほしいと看守に懇願したことも一度ならずあったという。

 だが最近になって、シリア政権側と反体制派との異例の取引により、シャルバジさんは他の100人以上の女性や子どもたちと共に釈放された。

 アレッポ(Aleppo)県の反体制派が掌握している地域から、電話でテレグラフ(Telegraph)の取材に応じたシャルバジさんは、政府が運営する刑務所の残虐性や、被収容者の大半が自分の勾留理由すら知らされていない実態を明かした。

 首都ダマスカス(Damascus)郊外の町ダラヤ(Daraya)出身のシャルバジさんは2014年5月22日、旅券取得のため入国管理旅券センターを訪れた際に拘束された。

 当時妊娠7か月で双子を身ごもっていたシャルバジさんは、モハメド君(8)、ムナちゃん(6)、バトゥルちゃん(5)と共に拘束された理由を、夫ウサマさんに圧力をかけるためだったとみている。

 ウサマさんは「反体制派の自由シリア軍(FSA)の政治担当幹部で、政権側は彼の出頭を望んでおり、これが良い手だと考えたのです」とシャルバジさんは言う。

 シャルバジさん母子はダマスカスにある凶悪なメッザ(al-Mezzeh)刑務所に連行された。メッザ刑務所は、アサド現大統領が父親のハフェズ(Hafez al-Assad)氏から大統領職を引き継いだ2000年に閉鎖されたが、内戦勃発時に再び開所された。

 シャルバジさんと子どもたちは光の入らない1つの狭い監房に入れられた。シャルバジさんには714番という囚人番号が与えられ、以後、名前では呼ばないと言い渡された。

「十分な食べ物はありませんでした。ゆでたイモとオリーブだけで、ハエや虫が入っていた」「子どもたちは何とか生き延びられる分だけ食べていましたが、私はストレスで食べられませんでした」とシャルバジさんは振り返る。

 子どもたちが好きだった漫画について話したり、祖父母の話をしたりして、収容中の子どもたちの気分を紛らわせようと努めていたシャルバジさんだが、「冬になると子どもたちには寒過ぎ、結局孤児院に連れて行かれました」と話した。その後「601病院」という名で知られる陸軍病院で、帝王切開を受けるよう強要されたという。

 かつて601病院で法医学用の写真を撮っていたという通称カエサル(Caesar)氏は2013年にシリアを逃れた際に、撮影していた写真を国外へ持ち出した。そこには同院で額に囚人番号を書かれ、やせ細った裸の遺体が並べられている様子も写っていた。大半に拷問の痕があった。

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最終更新:2/22(水) 13:54
The Telegraph