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中国の上位10社粗鋼シェア、5年ぶり上昇。「宝武鋼鉄」誕生が寄与

2/22(水) 6:00配信

鉄鋼新聞

 中国の2016年の粗鋼生産に占める上位10社の国内シェアが前年より1・7ポイント高い35・9%となり、5年ぶりの上昇へ転じたことが分かった。中国全体の粗鋼生産が1%増の8億837万トンと小幅増にとどまる中で、中国2位の宝鋼集団と6位の武漢鋼鉄集団が統合し「宝武鋼鉄集団」が誕生。これにより中国政府が掲げる上位10社のシェア向上が一歩進んだ形だ。

 中国ではリーマン・ショック後の4兆元公共投資を機に、民営企業を中心とした鉄鋼業への参入や設備増強が相次いだ。全体の生産量が伸びる一方、国営系は鞍本鋼鉄集団として一時統合した鞍山鋼鉄と本溪鋼鉄が「けんか別れ」し分裂。一時は7千万トンメーカーとうたった河北鋼鉄集団(今の河鋼集団)は少数株しか保有していない鉄鋼メーカーも合算していたのが正されるなど、実効ある再編集約が進まず大手のシェアは低下し続けていた。
 宝武鋼鉄集団は宝鋼と武鋼を合わせた昨年の粗鋼生産実績が6380万トンとなり、中国最大手に。世界でもアルセロール・ミッタルに次いで2位へ浮上した。旧宝鋼が広東省で最新鋭の湛江製鉄所を立ち上げた増産もあり、前年比では5%増だった。
 他の大手で目立ったのは、15年に初めてトップ10入りした民営の北京建龍重工集団。16年も8・7%増と生産を増やし、1645万トンで8位へと順位を上げた。
 ただ宝鋼と武鋼の統合要因を除いた場合、上位10社のシェアは前年から横ばいにとどまる。中国・工業情報化部は、昨秋公表した「鉄鋼業調整昇級規則」で、20年にも上位10社のシェアを60%へ引き上げるとしたが、目標はなお遠い。達成には宝武鋼鉄に続く大規模な再編が不可欠で、華北の大手統合や宝武鋼鉄へのさらなる合流など今後どう動きが出てくるか注視される。
 このほか、前年に9位だった渤海鋼鉄集団は昨春に経営危機が表面化し分裂。宝鋼と武鋼の統合、渤海鋼鉄の消滅に伴って16年にトップ10入りしたのは湖南華菱鋼鉄集団と本鋼の2社だった。
 上位10社に入らなかった粗鋼年産1千万トンを超えるミルは前年と同じ11社。民営の日照鋼鉄集団(1386万トン)のほか、方大鋼鉄集団(1368万トン)、河北新武安鋼鉄(1368万トン)、包頭鋼鉄集団(1230万トン)、河北津西鋼鉄(1105万トン)、広西柳州鋼鉄集団(1105万トン)、河北敬業集団(1101万トン)、安陽鋼鉄集団(1048万トン)、福建省三鋼集団(1039万トン)、太原鋼鉄集団(1028万トン)、河北縦横鋼鉄集団(1023万トン)で、前年から1割ほど生産を増やした津西鋼鉄と福建省三鋼集団が新たに1千万トン超えとなった。
 中堅クラスでは、伊藤忠商事が出資するCITIC系の中信泰富特鋼集団が10・4%増の840万トン、唐山東海鋼鉄集団特鋼が78・1%増の590万トンと、特殊鋼大手の増産が目立った。

最終更新:2/22(水) 6:00
鉄鋼新聞