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武家出身の遅咲き絵師・海北友松、京都で回顧展

2/22(水) 6:00配信

Lmaga.jp

狩野永徳、長谷川等伯と並ぶ桃山絵師の大家・海北友松(かいほう・ゆうしょう)。武門に生まれながら絵師となった、彼の知られざる生涯とその画業の全貌を紹介する史上最大規模の回顧展が、4月11日から「京都国立博物館」(京都市東山区)で開催される。

【写真】ほか海北友松の代表作

戦国武将たちが天下取りに熾烈な争いを繰り広げていた桃山時代。狩野永徳ら絵師たちも画壇の頂点を目指してしのぎを削っていたが、彼らとは異なる思いで絵筆を握った絵師、それが海北友松である。もともとは近江・浅井家重臣という名門武家の出身で、3歳で京都「東福寺」に出家。しかし主家や父兄が織田信長に滅ぼされるにおよび、和尚の勧めで狩野派の門を叩き、画の道に進んだという。DNAに刻まれた武士の気概は、彼の描く画に投影され、まるで刀を振り下ろしたかのような鋭いスピードの筆さばきで独自の画境を拓いた。画壇で頭角を現したのは60代と、当時としてはかなりの異端、かつ遅咲きの絵師なのである。

本展では、建仁寺、北野天満宮などに伝わる彼の真骨頂『龍図』が一室に集められ、存分に堪能できるほか、これぞ桃山時代といえる絢爛豪華な京都・妙心寺の金碧画が3双すべて展覧。さらに、詩情豊かで静謐な画風へと進化した最晩年の傑作『月下渓流図屏風』も、アメリカから60年ぶりに里帰りを果たす。開催は京都での36日間のみ、まだまだ謎の多い孤高の絵師に迫ることのできる、希少な機会となりそうだ。料金は1500円ほか。5月21日まで開催される。

取材・文/浅野はるか

最終更新:2/22(水) 13:55
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