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「慰安婦」「南京事件」記述の中学副読本打ち切り 沖縄の石垣市教委「見解が分かれる事案なので」

2/22(水) 12:05配信

沖縄タイムス

 沖縄県の石垣市教育委員会(石垣安志教育長)が石垣市内全中学生に配布していた副読本「八重山の歴史と文化・自然」について2017年度以降の刊行を見送ることが21日分かった。一括交付金を活用した16年度配布分で事業が終了。編集委員らは継続発行を求めていたが、市教委は「従軍慰安婦」「南京事件」に関する記述を「見解が分かれる事案」とし市税での公金支出は「市長や市議会、市民の理解が得られにくい」と判断した。

 田本由美子編集委員長らは同日、市教委に継続発行を求める要望書を提出。大得英信教育部長は「教育長、教育委員にも配布し判断を仰ぎたい」と述べるにとどめた。今後の市教委定例会で再検討するという。

 副読本については、昨年の市議会6月定例会で一部議員が「朝鮮から連行されてきた女性たちが慰安婦として人権無視の状態に置かれていた」「一般市民への無差別の虐殺や略奪を行いました」との記述を問題視。中山義隆市長と石垣教育長は見直しを検討すべきとの考えを示していた。

 市教委は同年9月に執筆者へ修正を求めたが、執筆側は「既に刊行・配布された出版物の内容を修正することはできない」と回答。大得部長によると、同年10月の市教委定例会前に「非公式の形」で教育委員に意見聴取し見送りを決めた。

 監修委員の三木健市史編集委員会委員長は「副読本の記述は、これまで発表された政府見解の枠をはみ出てはいない。もう一度確認して次年度刊行に踏み切ってほしい」と訴えた。

 副読本は、13~14年度の一括交付金事業として予算計1019万円で2500冊を発行。完成後、15年12月から市内の全中学生や関係者に配布していた。

最終更新:2/22(水) 15:30
沖縄タイムス