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ノーベル賞、原点は七尾 医学生理学賞の大村氏、24日に城北高激励

2/22(水) 0:50配信

北國新聞社

 2015年のノーベル医学生理学賞を受賞した北里大特別栄誉教授の大村智さん(81)が24日、定時制の七尾城北高を訪問することが決まった。大村さんは受賞理由となった熱帯病の特効薬を発見する5年前、七尾の土壌から家畜薬「ナナオマイシン」を発見していた。定時制高教員の経験もある大村さんは、ノーベル賞研究の原点となった七尾の地で、学業と仕事を両立する生徒を激励する。

 大村さんは静岡県伊東市のゴルフ場近くの土壌で見つけた細菌からイベルメクチンを開発し、年間約3億人を寄生虫感染症から救った。このノーベル賞の業績に感銘を受けた七尾城北高の山口和人校長は、昨年11月、北里大(東京)を通して大村さんから直筆の色紙「至誠 天に通ず」をもらい受け、生徒に披露するなど関係を深めてきた。

 その後も大村さんの研究を調べる中、イベルメクチンにつながる物質を発見した5年前の1974(昭和49)年、七尾の土壌から世界に普及した家畜薬ナナオマイシンを発見していたことが分かった。土壌中の微生物から有用な薬物を探す研究の原点となった調査とされる。

 もっとも、山口校長が七尾東雲高の農業担当教諭ら地元関係者に聞いても、大村さんが七尾で調査したことや、ナナオマイシンの発見について知る人はいなかった。山口校長が発見のいきさつを電話で尋ねたところ、大村さんは「ぜひ七尾に行って生徒の皆さんに研究の話をしたい」と自ら訪問の意思を示した。

 山口校長はこれまで、大村さんが定時制高教諭時代に苦学する生徒の姿に励まされて研究に打ち込んだことを描いた「大村智物語」(中央公論新社)を全校生徒22人に配布するなど、人物学習を進めてきた。24日には生徒や同窓生らで大村さんを迎え、金沢育ちの世界的化学者、高峰譲吉が学んだ七尾語学所があった七尾軍艦所跡地も訪れる。

 山口校長は「ノーベル賞の先行研究を行った七尾にある定時制高校ということで縁を感じてもらえたのだろう。大村先生との交流が生徒にとって人生の糧になればうれしい」と話した。

北國新聞社

最終更新:2/22(水) 0:50
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