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エンゲル係数は25.8%に 円安のせい? それとも社会が貧しくなっている?

2/24(金) 8:30配信

THE PAGE

 家計のエンゲル係数が上昇しています。一般にエンゲル係数は社会の豊かさを示す指標として知られていますが、価値観が多様化した先進国ではあまり意味がないともいわれてきました。しかしながら、最近の日本におけるエンゲル係数の上昇は経済の基礎体力低下によるものであり、社会が貧しくなっていることを反映した結果といえそうです。

「エンゲル係数」は25.8%

 総務省が発表した2016年の家計調査によると、消費支出(2人以上の世帯)は28万2188円となり、物価の影響を除いた実質で前年比1.7%のマイナスでした。前年を下回るのはこれで3年連続となります。家計の支出に占める食費の割合を示す「エンゲル係数」は25.8%となり、こちらは約30年ぶりの高水準でした。

 エンゲル係数は社会の豊かさを示す指標として知られています。食料品には、生活を維持するための最低限度の支出水準というものがあり、嗜好品と比べて極端に節約することができません。生活が苦しくなってくると、家計支出に占める食料品の割合が増加するという傾向が見られることから、一般にエンゲル係数が高い方が貧しい社会とされます。ただ、価値観が多様化した豊かな先進国の場合、この法則は当てはまらないケースも多く、日本も豊かになるにつれて、エンゲル係数については議論されなくなっていました。

 しかし、ここ10年の間に日本のエンゲル係数は上昇に転じており、特に2014年以降は数値が急上昇しました。過去5年間における物価の推移を見ると、魚介類、生鮮野菜、果物、肉類、菓子類などの価格が軒並み上がっています。これはエネルギー価格の高騰やアジアの経済成長に伴う需要増加、農家が減ったことによる作付面積の減少、円安などが複合的に絡み合った結果です。

 一方、日本の労働者の実質賃金は2016年こそわずかにプラスとなりましたが、ここ10年、マイナス傾向が顕著となっています。食品の値段が上がる一方、賃金が上がっていないという状況ですから、エンゲル係数が上昇するのは当然の結果といえるでしょう。残念なことですが、最近のエンゲル係数の上昇は、日本経済の基礎体力が弱っていることを反映したものといえそうです。

 では今後、エンゲル係数はどう推移するのでしょうか。魚介類などの需要はアジアでさらに高まってくる可能性がありますし、トランプ政権の誕生で円安になりやすい環境にあります。魚介類の高騰は今後も続く可能性が高いでしょう。日本国内は人口減少から供給制限がかかっており、農作物の価格も下がりにくい状況にあります。場合によっては、エンゲル係数がさらに上昇するという結果になるかもしれません。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:3/2(木) 11:04
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