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うつ病脱出マンガ「うつヌケ」に反響 自殺も考えたギャグ漫画家・田中圭一さんが伝えたかった思い

2/23(木) 10:30配信

BuzzFeed Japan

うつ病から脱出した人の体験談をまとめたマンガ「うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち」(角川書店)が発売20日で5万部と異例のヒットとなっている。手がけたのはギャグ漫画家の田中圭一さん。「正直ここまでとは思わなかったので、うれしい誤算です」とBuzzFeed Newsに話す。
【BuzzFeed Japan / 徳重辰典】

手塚治虫のパロディーなどで知られ、自ら「本業はお下劣下ネタギャグ漫画家です」と笑顔を見せる。そんな田中さんもうつ病経験者、そしてうつから脱出した”うつヌケ”経験者だ。

田中さんがうつ病にかかったのは2005年ごろ。そこから毎日続く原因不明の疲れと不安に襲われ、一時は自殺を考えたこともあった。うつ病脱出のきっかけはたまたまコンビニで出合った一冊の本。精神科医自身がうつになり、自ら考えた方法で脱出したと書いてあった。

本を読んだ後、自分を肯定することが大事と考え、それが”うつヌケ”につながった。うつ病の最中から、いつかうつ病のマンガを描くぞと思っていたという田中さん。

「うつ病って、なった側とならない側は全然意思疎通ができない。うつの人はこうだよと伝えきれてないし、うつじゃない人はうつ病を想像しきれていない。あんなに苦しい思いをしたので、何とか苦しんでいる人を一人でも救い出せないかという気持ちはありました」

異例のうつ病脱出者の体験マンガ

ほかの病気と違い、うつにはこれくらいの期間で治るという目安がない。一生続くのではという恐怖がある。一方、うつから脱出したという体験談はあまりなかった。田中さんはマンガを脱出の体験談をまとめたものにしようと考えた。

マンガには田中さんだけでなく、ミュージシャンの大槻ケンヂさん、作家の熊谷達也さん、フランス哲学研究者の内田樹さん、脚本家の一色伸幸さんなど17人の体験談が描かれている。それぞれ”うつヌケ”するきっかけは違う。

「マンガを描くとき、自分の経験だけでなく、いろんな人を取材して、いろんなケースを載せようと思いました。僕は医者ではないので、これが正しいとはいえない。読んだ人の中で、これは自分にあてはまると感じてもらえる本にしたかった」

「うつは『こうすれば絶対治る』とは一概に言えないですし、言わないというのがこの本の趣旨。いろんなケースをみて、いろいろ考えて自分で合っているものがあればやって、自分に合ってないものは無視してほしいです」

取材の中で、もっとも印象的だったというのが代々木忠さん。脱出のきっかけは、幼いころの母の死という自分の過去を見つめ直すことだった。

「あの方の人生が壮絶なので。どこか心に虚勢を張っていたところ、鎧を脱いで、自分の過去と向き合って、劇的に回復されている。心がうつを生み、心がうつから抜け出せさせるんだなとわかった回でした」

田中さん自身の体験も多くの共感を呼んだ。

一つはうつの「突然リターン」。一度抜けたと思っても、再びうつ病の状態に戻ることだ。

「絶望的な気持ちになりますよ。抜けたと思ったら、抜けていなかった。また、苦しみに戻るんだという怖さ」と語るが、それは波のようなもので再び、元に戻る。

「脱出したのに、また戻っちゃう。その経験をたくさんした方がいらっしゃって『僕だけじゃなかった』『普通に起こることなんだ』と安心したとの声はありました」

激しい気温差がある時、うつになるとツイッターで投稿し、多くの共感を得たこともある。

作中でうつ病について、正体の分からない「幽霊」ではなく「妖怪」で「好ましい存在ではないけれど、付き合い方がわかれば、けして怖くない」と語っている。「うつヌケ」はうつという「妖怪」とうまく付き合うためのきっかけとなる本といえる。

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最終更新:2/23(木) 14:25
BuzzFeed Japan