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「悪魔の日記」を追え!元FBI美術犯罪捜査官の事件簿

2/24(金) 18:55配信

THE PAGE

取材に応じた元FBI美術犯罪捜査官のロバート・ウィットマン氏(マシュー・コラサ撮影)

 2008年にFBIを退職したロバート・ウィットマン氏は、FBI芸術犯罪班の創設責任者と、3億ドルの芸術を救った「現実版インディ・ジョーンズ」としての20年に渡るキャリアという輝かしい栄光にも満足はしていなかった。ウィットマン氏は引退して、のんびりと自分の美術骨董品のコレクションを磨くのではなく、「ロバート・ウィットマン社」を設立し、美術品強盗調査の専門知識を活かした新しいプロジェクトを起こした。

 ウィットマン氏のストーリーは、既に一冊の本になるに十分なくらいだった。自叙伝『FBI美術捜査官―奪われた名画を追え』(柏書房)はベストセラーとなった。

美術品コレクターになりすまし、潜入捜査

 「つい最近こんなことがありました。ちょうど2年前、私はアメリカ合衆国ホロコースト記念博物館に呼ばれて調査を行いました」。ウィットマン氏はインタビューでこう語る。

 「博物館は、非常に有名な日記を探していました。それは約500ページの手書きの日記でした。ヒトラーの思想家だったアルフレート・ローゼンベルクによって書かれたものでした。彼はニュルデンベルグ裁判で戦犯として処刑されましたが、裁判の時、検察官のひとりが彼の日記を持っていて、彼の犯罪の証拠があるかもしれないと、その日記を調査していました。裁判後もその検察官はその日記を、大部分は自分のために持ち続けていました。要するに、盗んでいました。その日記の存在は、我々が調査をした2013年に初めて、表に出ました。私たちはその日記を発見することができたのです。その日記は、ニューヨーク北部に住む、あるカナダ人が所有していました」そう述べるウィットマン氏。

 日記の所在地をみつける時、ウィットマン氏は、ニューヨークでそのコレクターにインタビューしたがっている歴史学者を装った。役を演じるということは初めてではなかった。ウィットマン氏は、FBIの潜入捜査官の時にも、度々美術品収集家になりすましていた。

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最終更新:3/3(金) 8:03
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