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東京マラソン直前企画 パラ陸上若手ランナー特別対談「日本人トップは譲らない」 ~渡辺 勝 × 鈴木 朋樹~

2/24(金) 21:00配信

カンパラプレス

 現在、日本の車いす陸上界において成長著しく、大きな期待が寄せられている2人の若きランナー、渡辺勝(25=凸版印刷)と鈴木朋樹(22=城西国際大)。ともに昨年は、リオデジャネイロ・パラリンピックへの出場が叶わず、悔しい思いをした。しかし、だからこそ2020年東京パラリンピックへの思いは強い。これまで一度も2人でじっくりと話すことがなかったという渡辺と鈴木。今回は、そんな2人の特別対談を行なった。26日の東京マラソンに出場するリオの金メダリストのマルセル・フグ(スイス)について、2020年東京パラリンピックへの思い、そしてお互いをどう思っているかなど、「本音」を語ってもらった。

数年前までは緊張していた姿を見せていた王者

――今年の東京マラソンには、昨年のリオデジャネイロ・パラリンピックで金2(800m、マラソン)、銀2(1500m、5000m)と計4個のメダルを獲得したマルセル・フグが出場します。現在、800m、1500m、5000m、1万mの世界記録保持者で、パラ陸上界の「王者」と言っても過言ではない彼の存在は、2人にとってどのようなものなのでしょうか?

渡辺:特に僕自身は、彼一人に固執しているわけではありません。ただ、今の時点では、パラリンピックの金メダルを狙うからには、必ず超えていかないといけない相手であるのがマルセル選手。それは間違いないと思っています。

鈴木:僕にとってマルセル選手は目指すべき「場所」に立っている選手ですし、そこを追い越して、絶対に勝ちたいと思っている存在です。自分がメインではないマラソンのレースに出場するのも、正直言って、マルセル選手と一緒に走りたいからというだけなんです。今回の東京マラソンのように招待選手ということになれば別ですが、それ以外だったら、マルセル選手が出ないのなら、僕は出る必要はないなと思っています。僕の中でマラソンは勝つことよりも、マルセル選手と同じ空気感の中で一緒に走るという経験こそがプラスになると思っています。

――マルセル・フグについて、印象に強く残っていることとは?

渡辺:僕が初出場で銀メダルを取った、2013年のパラ陸上世界選手権(フランス・リヨン)での1万メートルのレースでマルセル選手と一緒に走ったのですが、意外にもレース前の彼はおどおどしていて、すごく緊張しているようでした。招集所で2、3メートルの間を行ったり来たりして、きょろきょろと落ち着きがなかったんです。あまりにもずっと行ったり来たりしているので、逆に「大丈夫かな?」と心配になったくらいです(笑)。あまりにも意外で、驚きました。正直、その時はあまり怖くは感じなかったですね。ただ、レース本番では圧倒的に強かったですよ。「あぁ、こんなに強い選手でも、あんなに緊張するものなんだな」と思いました。

鈴木:僕の中ではそういう印象はないので、今聞いて、ビックリしました。僕が初めてマルセル選手と同じレースを走ったのは、2015年のパラ陸上世界選手権(カタール・ドーハ)での800m予選でしたが、その時はそんなふうに緊張している様子はありませんでした。ただ、マルセル選手でも緊張することがあったというのを聞いて、「彼も人間なんだな」と、ちょっと安心しました。

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最終更新:7/14(金) 20:07
カンパラプレス