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山梨市を巨大“実験場”に ブドウ園に環境センサー 果樹ICT化構想スタート

2/25(土) 7:00配信

日本農業新聞

 山梨県山梨市とJAフルーツ山梨、NTT東日本山梨支店、バイオベンチャー企業のシナプテックは24日、果樹栽培の情報通信技術(ICT)化に乗り出した。市内をICT技術の巨大な“実験場”とし、複数農家の園地に環境センサーを付けてデータを蓄積・解析する。管理の“見える化”やマニュアル化を通じて、産地全体の品質・収量の向上や担い手確保につなげる。

 同日、市内で代表者らが構想を発表した。構想は「アグリイノベーションLab(ラボ)」と名付けた。参加企業によると、広域で環境センサーを使ってデータを集め、解析や活用する取り組みは珍しいという。

 2月中に市内の農家約10戸のブドウなどの園地に温度、湿度、光、二酸化炭素、水分、肥料分などを測るセンサーや土壌センサーを取り付ける。センサーはモノのインターネット(IoT)技術で通信し、異常時に農家のスマートフォンに知らせたり過去のデータを見たりできる。実証農家の数は来年度も増やしていく。

 それらのデータを蓄積し、活用するのがプロジェクトの特徴だ。環境データと収量や糖度の関係などを分析し、管理の改善を探る。将来的に管理をマニュアル化し、生産量や品質を安定させブランド力を高めたり、新規就農をしやすくしたりする狙いだ。

 データ管理は通信業者のNTT東日本、データを元にした指導はJA、データを生かした資材の開発はシナプテックといった具合に連携していく。新たな企業の参加も歓迎する。

 JAの中澤昭組合長は「農家の経験と技術を後継者にどう伝えるかは産地の大きな課題だ。就農促進も視野に、JAとしてしっかり取り組みたい」と意気込む。

 ブドウ「シャインマスカット」の施設11アールに、センサーを設置した市内の農家、辻勝久さん(65)は「シャインマスカットは温度管理でまだ分からないことが多い。見える化することで無駄に暖房せず、省コストで高品質な果実が作れるようになれば」と期待する。

日本農業新聞

最終更新:2/25(土) 7:00
日本農業新聞