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「保幼小中一貫校」で継続指導 情報一元化で早期対応も 【教育立市 南房総市の挑戦】

2/25(土) 13:25配信

千葉日報オンライン

 いずれも公立の保育所、幼稚園、小学校、中学校を同じ敷地に集約する全国初の「保幼小中一貫校」が今春、千葉県南房総市で産声を上げる。0~15歳の教育情報を一元化し、虐待や不登校といった問題への早期対応、子どもの能力発揮に向けた継続的な指導を展開するのが目的だ。地域活性化に向け、教育に重点を置く同市のシンボル校となりそうだ。

 昨年4月、小中学校が先行開校した。「富山(とみやま)学園南房総市立富山小・中学校」の児童・生徒は、富津館山道路の休憩施設「ハイウェイオアシス富楽里(ふらり)」近くの敷地(約3万平方メートル)に立つ真新しい校舎で学ぶ。

 今年4月、敷地内に幼保一体施設がオープンすれば、学園は“フル稼働”となる。総事業費約39億6千万円で整備した施設に、子ども390人が入る見込み。

 小中の校長と幼保の子ども園長をそれぞれ置くことになるが、同市の三幣貞夫教育長は「学園長と副園長の関係にし、学園は首尾一貫した考え方で教育してもらう」と方針を示す。

 園児、児童、生徒が日常的に顔を合わせることになる敷地内。下の年代は自分の成長する姿を展望でき、上の年代は下級生の面倒をみて、互いに刺激を得られると期待する。メイングラウンドでは、幼小中合同運動会の青写真も描く。

 クラスメート固定化による「閉鎖性」への懸念もあるが、同市は異なる年代が交流できる“縦割り教育”のメリットを強調。密度の濃い人間関係でトラブルを回避する。

 市は2019年4月、同市沓見の嶺南中学校の隣接地でも、新たに幼保一体施設と小学校を開校する。

 こうした取り組みに市民からは歓迎の声も。2歳と5歳の孫がいる平井恵美子さん(65)は「幼稚園から小学校、中学校へとスムーズに入っていける。伸び伸び生活できる」。

 三幣教育長は「教育者全員が子どもの成長に責任を持っていくことになる」と一貫校の意義を説明する。全国に先駆けた取り組みの成果が注目される。

◆南房総市の学校再編
 2006年に7町村が合併した南房総市は、子どもの数減少などから当時7保育所、15幼稚園、16小学校、7中学校あったものを旧町村で各一つへと再編。保育所と幼稚園は全て一体施設とした。旧丸山町と和田町は地理的に近いことから一つにし、同市沓見に19年4月から連携一貫校となる。この連携一貫校の完成で、市内は6保幼、6小学校、6中学校となり、地区内での保幼小中一貫の連携が図られる。