ここから本文です

七尾の細菌「研究の励み」 ノーベル賞・大村さん城北高で講演

2/25(土) 1:22配信

北國新聞社

 2015年のノーベル医学生理学賞を受賞した北里大特別栄誉教授の大村智さん(81)は24日、七尾城北高で講演した。大村さんは、40年余り前に七尾市の土壌から見つけた細菌が初めて、牛などの皮膚病に効果がある家畜薬として実用化できたと説明し、「意味のない細菌はないと研究の励みになった」とノーベル賞研究の原点を振り返った。

 大村さんは講演で、1974(昭和49)年に七尾の土壌から発見した細菌が、世界に普及した家畜薬「ナナオマイシン」となった経緯を語り、「年間10個ほど見つけられる細菌だが、実用化されてうれしかった」と述べた。

 地名が名前として使われた薬は珍しいとし、その由来となった七尾に2度目の来訪を果たしたことについて、「自分の研究の原点となった七尾に来ることができてうれしい」と感慨を込めた。

 七尾城北高では、生徒や教員、同窓生ら約50人総出で大村さんを出迎えた。定時制高教員から研究の道へ進んだという異色の経歴を持つ大村さんは講演で、東京の定時制高校の教員時代、働きながら学業に励む生徒の姿に感化され、研究を始めたことを紹介した。

 その上で「いつまでも挑戦する気持ちを持ってほしい。物事を始めるのに遅いも早いもない。失敗を恐れずに挑戦する気持ちを持って取り組んでほしい」と呼び掛けた。講演会後、全員で記念撮影し、生徒会長の後藤空さん(3年)は「雲の上のような存在の大村さんに会えて感動した。自分も勉強を頑張りたい」と話した。

 大村さんは静岡県伊東市のゴルフ場近くの土壌から見つけた細菌からイベルメクチンを開発し、年間約3億人を寄生虫感染症から救った。このノーベル賞の業績に感銘を受けた七尾城北高の山口和人校長が大村さんと関係を深めたことが、来訪のきっかけとなった。

 大村さんは、金沢育ちの世界的化学者、高峰譲吉が学んだ七尾語学所があった七尾軍艦所跡地や七尾美術館、花嫁のれん館も訪れた。

北國新聞社

最終更新:2/25(土) 1:22
北國新聞社