ここから本文です

長浜調教師引退 GI・7勝の名伯楽が明かす“アグネス”秘話

東スポWeb 2/26(日) 11:36配信

 世の中は4月で年度替わりをするが、JRAはひと月早い3月が別れの季節。2月最終週に騎手、調教師が現場を去る。今年引退する4調教師の中にはおなじみの名前が…。フローラ、タキオン、フライトなど“アグネス”の冠のつく著名馬を中心に多数のGI馬を輩出した名伯楽・長浜博之調教師(70)だ。手がけたGI馬の思い出、今後の夢…引退を目前にした今、語ってもらった。

 父・長浜彦三郎調教師の死去後、それを継ぐ形で1988年に厩舎開業。その翌年に後の桜花賞馬アグネスフローラがデビューした。「自分で調教に乗っていたがとにかく頭のいい馬。こういう馬が走るんだと実感した」。新馬戦を1秒6差で圧勝した後、オープン・紅梅賞に使ってくれという渡辺孝男オーナーに「桜花賞と紅梅賞、どっちを勝ちたいですか」と長浜師は問いかけた。「当時、紅梅賞は1200メートルだったからね。1200メートルばかりを使っていたらスピードだけの馬になってしまう。新馬を勝った時に桜花賞を狙える感覚があったから、そう進言させてもらった」。その言葉通り90年に桜花賞を制したアグネスフローラは引退後、アグネスフライト、アグネスタキオンというクラシックホースを産んだ。

 アグネスフライトといえば、河内洋元騎手の悲願だったダービーをプレゼントした(2000年)馬として有名だ。「我々厩舎側は(河内)洋がダービーを勝っていないのは知っていたけど、洋はそういう面を一切見せなかった。そのあたりは彼のいいところ。内に秘めた闘志というか…。ダービーのパドックでは“洋のダービーだから好きに乗ってこい”と声をかけた」

 翌年のアグネスタキオンは長浜調教師にとって自身が手がけた最強馬となった。「稽古では時計が出ないのに、競馬に行ったらとにかく走る。ラジオたんぱ杯(3歳S)を勝った後、河内が厩務員に“なんじゃ、この馬は”と驚いた。弥生賞までに強い相手を全て負かしていたし、無事にいけば3冠と思っていた」

 皐月賞のアグネスタキオン、ダービーのアグネスフライト、菊花賞のビッグウィーク、違う馬で牡馬3冠を取ったことを評価する声があるが、これには複雑な心境もあるという。「GIを勝てる馬だけに、無事ならもっと勝っていただろうということだから。特にタキオンは脚元が弱い血統で毎日脚を見て慎重に運んできたのに、ああなってしまった(皐月賞後、左前浅屈腱炎で引退)。調教師生活が長かったとは思わないけど、馬が故障した時ばかりは、なんでこうなったのかとかいろいろ考えて…時間がたつのがすごく長く感じた」

 獲得GIは7つ。しかし、「勝ちたかったけど勝てなかった」GIがひとつあるという。
「オークスだね。それを勝てば牝馬3冠(秋華賞はファビラスラフインで勝利)になるというのもあったし、アグネスフローラで2着、アグネスパレードで3着(94年)と惜しい競馬もあったから」

 現在は管理馬の最後の出走(26日阪神で3頭。9RすみれS・レイトブルーマーがラストラン)と、厩舎の引き継ぎ、整理に忙しい。定年後のことは「本格的には考えていない」というが、引退した後にやってみたいことがあるという。

「3連単で100万、200万円という馬券を当ててみたい。それだけの配当なんだから人気薄から人気薄ということになるんだろうけどね。もし当たったら“100円がこんなになったぞ”って皆に自慢しに行くわ(笑い)」

 数々の偉業を達成してきたトレーナーなら、3冠並みのビッグ配当を手にすることも簡単?

最終更新:2/26(日) 11:36

東スポWeb

スポーツナビ 競馬情報

重賞ピックアップ

Yahoo!ニュースからのお知らせ