ここから本文です

クルマの「一発免許」、初心者には到底オススメできないワケ

2/26(日) 7:30配信

乗りものニュース

「一発免許」は本当に得なのか?

 春休みや夏休みなど学生が長期休暇に入ると、自動車教習所は大いに混み合い、料金を高めに設定しているところもあります。

【写真】教習車といえばあのクルマ

 ただでさえ自動車教習所はお金がかかるものです。普免(普通自動車運転免許)を取得しようとした場合、AT限定か否かでも値段は異なってきますが、安くて20万円前後が底値のようで、おおむね30万円前後が相場のように見受けられます。合宿をしつつ短期間集中で普免取得を目指す、比較的安価な「合宿免許」も、宿泊費込みで20万円前後というのが相場のようです。

 一方、俗にいう「一発免許」という方法もあります。これは各都道府県の公安委員会が管轄する「運転免許試験場」にて、自動車教習所を介さず直接「技能試験」と「学科試験」を受けるというものです。

 道路交通法に定められた「指定」を受けている自動車教習所は、その卒業認定をもって上述の「技能試験」が免除されますが、「学科試験」は運転免許試験場で受験する必要があります。言ってしまえば、運転免許試験場での技能試験さえ合格することができれば、高いお金を払って自動車教習所に通う必要はないのです。東京都の場合、普免の「一発免許」本試験にかかる手数料は、受験料と試験車使用料、免許証交付料とで、あわせて5150円です(2017年2月現在。別途、取得時講習受講料が必要です。また仮運転免許証が必要など、受験には条件があります)。

 そのようなわけでこの「一発免許」、一見かなりお得に見えますが、実はそうとも限りません。というのも、理由は後述しますが、まったくの初心者が「一発免許」で普免を取得するのは現実的ではないからです。

 では、なぜ「一発免許」なる制度があるのでしょうか。

初心者に「一発免許」がオススメできないワケ

 いわゆる「一発免許」は、過去にクルマを運転した経験のある人が、改めて普免の交付を受ける際に受験する、といったケースなどに有用な制度です。たとえば自宅敷地内で農作業のため長年軽トラックを運転していた、といったような、運転技術そのものにはなんら問題がない場合などが考えられます。

 ほか、運転免許試験場で技能試験を受けるケースとしては、運転免許の取り消し処分を受け改めて取得する場合や、運転免許を失効させ技能試験免除条件に合わなくなった場合、外国で運転経験がある場合などが考えらえます。

 しかし、そのような「過去に普免を持っていた受験者」を含めても、運転免許試験場における技能試験の合格率は高くないそうです。フジドライビングスクール(東京都杉並区)の田中さんは「おおむね2割程度」といいます。まったくの初心者による「一発免許」受験が現実的でないのはこのためです。

 もちろん「技能試験」は何度でも受験できますが、合格できずにずるずると何度も受け続けるといった事態に陥らないとも限りません。そうした場合、自動車教習所に入校し、改めて1から始めるしかないのでしょうか。

1/2ページ