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福島の医師、窮状訴え 学校再開に警鐘

カナロコ by 神奈川新聞 2/26(日) 7:07配信

 東日本大震災と福島第1原発事故発生から間もなく6年。いまだ10万人以上が故郷を追われ、帰還を諦めざるを得ない状況が続いている。福島市のふくしま共同診療所院長で医師の布施幸彦さん(62)が医療現場からみた終息をみない放射性物質による被害や、地元住民が迫られている窮状などを訴える講演会が25日、神奈川県平塚市内で開催され、約80人が熱心に耳を傾けた。

 避難家族の支援活動などを続ける「福島の親子とともに・平塚」(小嶋倫子代表)主催。

 2012年の診療所開設以来、約3千人への甲状腺エコー検査などの医療行為や放射能被害を含めた健康相談などに携わってきた布施さん。昨年9月末までに福島県内で計184人が小児甲状腺がんやがんの疑いと診断された現状を説明した。特に女性患者に白血球減少などの症状が見られることが多く、「免疫力低下に伴うがんや白血病の今後の増加を危惧している」と話した。

 また、旧ソ連で1986年に発生したチェルノブイリ原発事故では、事故後5、6年から14歳以下の甲状腺がんが急増したことを解説。チェルノブイリ事故現場周辺での年間放射線量による移住義務基準に比べて、福島の避難基準は4倍高く設定されているとも指摘した。

 この3月で自主避難者への住宅補助を打ち切り、被災地の学校を再開させる一連の動きには「まだ第1原発の廃炉作業も終わっていない。再臨界を起こす可能性もある中で、その近くに住民を帰そうとしている」と警鐘を鳴らした。

 参加した逗子市の50代女性は「自分たちも被害者になるかもしれないという当事者意識をもっと持たないといけない」と話した。

最終更新:2/26(日) 7:07

カナロコ by 神奈川新聞

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