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【特集】新薬!“キイトルーダ”とは? 次々と登場する高額薬

2/27(月) 16:29配信

毎日放送

年間1人3500万円かかると、話題になった超高額がん治療薬「オプジーボ」。2月1日から半額に値下げされましたが、15日から「オプジーボ」と同じタイプの新しい薬が発売されました。名前は「キイトルーダ」その価格もオプジーボと同じくらいで年間約1400万円。この超高額な薬、いったいどのようなものなのでしょうか。

免疫チェックポイント阻害薬「キイトルーダ」とは

3週間に1度、点滴を受けながら治療を続けている八重崎宏さん(55歳)。おととし夏、6年ぶりに受けた検診で肺がんとわかりました。見つかった時にはかなり進行した状態でした。

「“ステージ4の肺がん”で、インターネットで調べると余命は6か月から18か月くらい…それならばもうわざわざ延命することもないかとどうしようかと。家族にも迷惑をかけるし…(今は)いい薬にあたれば治る可能性が出てきた」(八重崎宏さん)
八重崎さんが「いい薬」と話すのが「キイトルーダ」です。去年12月、肺がんの治療薬として承認されたのですが、取材当時はまだ値段が決まっておらず「薬価未収載」とされています。「キイトルーダ」は超高額がん治療薬で話題になった「オプジーボ」と同じ免疫チェックポイント阻害薬と呼ばれる薬です。チェックポイントとは検問所の意味。免疫細胞は体にとって異物かどうか判断し、異物とみなせば攻撃し正常な細胞は攻撃しないようにチェックしています。異物をチェックする役割を果たしている分子の一つが「PD‐1」ですが、がん細胞が出す「PD‐L1」と呼ばれる分子と結合してしまい免疫細胞の攻撃にブレーキをかけていました。「オプジーボ」や「キイトルーダ」はこの結合を外してやるもので、その結果、免疫のブレーキが外れがんを攻撃するという仕組みです。免疫に働きかけるため理論上、どんながんでも効くと期待されています。

「キイトルーダ」の臨床試験に参加した男性 その効果は?

「キイトルーダ」の国際的な臨床試験に参加していた兵庫県立がんセンター。八重崎さんはこの薬の臨床試験に参加した患者の一人です。病気が見つかった時、がんが大きくなりすぎて 手術や放射線を受けることできない状態で抗がん剤による治療しか選択肢がありませんでした。

その時、新しい薬の「キイトルーダ」と従来の抗がん剤治療を比較する臨床試験があることを知り参加を決めました。八重崎さんは無作為のグループ分けの結果、従来の抗がん剤治療を受けるグループに入りました。

しかし、脳に転移が見つかり、胸に大量の水が溜まるなど容態が悪化。真っ直ぐ歩くこともできなくなり家族は最悪の事態を覚悟したといいます。

「(当時)余命とかの言葉がすごく辛くて、来年の夏はいないんだろうなとか嫌なことしか考えていなかった」(妻・八重崎清美さん)

抗がん剤が効かず悪化していく八重崎さんの状態を見て医師は急きょ、新しい薬の「キイトルーダ」を投与しました。その結果…

「こんなに転移が出ている状況まで悪くなって…それがスカッと消えている」

投与前のCT画像。骨盤など全身に転移していたがんが今は消えています。肺全体に広がっていたがんも画像上、全くみえなくなっています。薬が劇的に効いたのだといいます。

「たぶんこのお薬がなければ、今おられるかわからない。変な話おられなかったんじゃないかと思うような状況。かなり勢いよく悪くなっていた」(兵庫県立がんセンター 里内美弥子医師)

「キイトルーダ」は投与の前に患者のがん細胞を検査する点が「オプジーボ」と大きく違います。「PD‐L1」という分子が多い「強陽性」の患者を割り出して使うことになっています。薬が効きやすい患者を絞り込み無駄な投与を減らす狙いですが、それでも対象となる患者はかなりの数にのぼります。

「強陽性の患者は全体の25~30%という結果。(対象となる患者は)万の単位」(里内美弥子医師)

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最終更新:7/25(火) 17:01
毎日放送