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拡大が予想される家庭用蓄電池市場 工夫こらした新製品に期待集まる

THE PAGE 2/28(火) 15:09配信

 家庭用蓄電池をご存じだろうか。文字通り、電気を蓄えておいて一般の家庭で使うことができるバッテリーのことである。イメージとしてはカメラ用の充電池や自動車のバッテリーなどと同じで、充電と放電を何度も繰り返すことができる。非常用電源などとして単体で使えるほか、太陽光発電システムを導入している家庭では太陽電池でつくった電気をためて、家庭用エネルギー管理システム(HEMS)と組み合わせて使うこともでき、いわゆる「スマートハウス」の中核となる機能を持つ。

 家庭用蓄電池は持ち運びのできるポータブル型と一定の場所に据え付けて使う定置型があるが、レジャーや防災用に使うポータブル型は容量が小さく、利用用途も限られる。一方の定置型は、家庭用の電力として放電する容量が多く、近年普及しているのは、家庭での電気利用を管理できるタイプだ。

 太陽光発電と親和性があるため、太陽光発電システムの普及とともに家庭用蓄電池の需要は増加している。夜間の電力は昼間に比べて電気代が安いので、それを蓄電池にためておいて昼間に使うと、電気代を安くすることができる。また災害時に停電した場合でも、あらかじめ設定しておいた機器に電力供給し、利用を継続することができる。

 こうしたメリットがある一方、容量に応じて電気をためる量が変わってくるため、使う電気の量や時間を勘案して容量の大きさを選ぶ必要がある。またリチウムイオン電池の場合には寿命があり、充電・放電の回数に限りがある。さらに容量にもよるが、設置のための十分なスペースが必要で、屋外設置型の蓄電池の大きさはエアコンの室外機2つ分よりも一回り程度大きいといったイメージだ。さらに設置工事用のスペースも確保する必要がある。直射日光を避け、熱がこもりにくく高温多湿でない場所であることも条件となる。

 こうした中、住宅用太陽光発電設備の余剰電力を固定価格で買い取る制度の期間が2019年から順次終了する。買い取りの終了によって、電気を蓄電して自分で使った方がいいと判断する人が増えるとみられ、今後、蓄電池の需要が一段と増えることが見込まれる。ただ、現在市販されている国内大手メーカーの家庭用蓄電池の中心価格帯が150万円から250万円と高いことなどが普及の課題となっている。

 太陽光発電システム事業や電力事業を手がける企業Looop (ループ、東京・文京区)は27日、電池容量を4.0キロワット時に抑えてコストを切りつめた独自開発の新製品「Looopでんち」を4月11日から販売受付すると発表した。1000軒を超える太陽光発電設置家庭の必要容量について実態調査し、分析を行ったところ、他メーカーに多くある5.0キロワット時を超える容量には達せず、最適値として4.0キロワット時まで節減できることがわかり、電池容量が小さくても支障がないことが確認されたという。これにより希望小売り価格を業界最安値レベルの89万8000円(消費税、施工費、通信費など別)に抑えることを実現した。

 さらに人工知能を搭載することで、各家庭ごとに蓄電池を自動制御し、効率的な充放電が行えるように工夫した。これまでの太陽光発電導入の実績に基づいた発電量予測や、電力小売り事業の経験による需要予測、地点ごとの天気予報などのビッグデータを活用しているという。蓄電池、リモコン、通信コントローラーなど主要部分にはすべて日本製を使い、消費者の安全・安心にも配慮した。

 調査会社の推計によると、家庭用蓄電池の市場規模は2015年度は約4万台~5万台、金額ベースで約600億円~1000億円規模とされているが、2020年度には約5倍になるとみられている。今後、パナソニックなど大手企業も巻き込んだ大競争が展開されることが予想され、各メーカーとも新たな製品・サービスの開発に拍車がかかりそうだ。

(3Nアソシエイツ)

最終更新:3/5(日) 23:05

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