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獣医師不足 深刻 防疫業務 増すばかり 家畜伝染病を警戒

2/28(火) 7:00配信

日本農業新聞

都会に偏り地方悲鳴 公務員わずか9% 待遇改善や支援も

 近年は“動物の医者”を主役にした漫画の登場もあり、獣医師は人気職業として注目を浴びる。しかし、国内の獣医師は「対応する獣種や地域による偏在がある」(農水省)。14年の全国の獣医師数は約3万9000人で、ペット関連が39%と最多。家畜防疫や家畜改良などを担う公務員獣医師は9%と少数派だ。

 統計では畜産の盛んな県を中心に公務員獣医師1人当たりの畜産農家戸数が多く、負担感を増している。獣医師1人当たりの戸数が少ない県でも「広大な地域をカバーできる人員数に満たない」(高知県)状況もある。農水省によると、獣医系学部の大学生は首都圏など都会出身が多く、地元の都会で獣医師職に就く場合が多い。団塊世代の退職もあり、地方部で公務員獣医師の恒常的な不足に陥っている。

 こうした中、獣医師不足に悩む地方の各県が、担い手確保に乗り出している。学生のインターンシップや卒業後の研修、子育て離職した女性獣医師の復帰支援など、やりがいや働きやすい環境づくりに力を入れる。

 獣医系学部に通う大学生の資金支援も活発だ。北海道や東北、中国・四国、九州などの17道県は、学生に修学資金を貸与し、卒業後に県内で公務員や獣医師として従事すれば返還を免除する制度を導入。北海道、青森県、高知県は、獣医系学部に進学する県内高校生に入学金などの資金を支援し、地元出身者の囲い込みを狙う。

 農水省は「安全・安心な国産畜産物の安定供給には、公務員獣医師の役割が非常に重要」(畜水産安全管理課)と強調する。鳥インフルや口蹄疫などが海外で多発する中で、「家畜伝染病の発生防止は大命題。各都道府県の獣医師確保をしっかり支援していく」(同課)としている。(福井達之)

日本農業新聞

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最終更新:2/28(火) 7:00
日本農業新聞