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【2017年F1ニューマシン技術解説】名門、新時代の幕開け。マクラーレン・ホンダMCL32

2/28(火) 12:30配信

motorsport.com 日本版

 マクラーレンは、2017年シーズンを戦うためのニューマシンMCL32を発表した。このマシンは、これまでとはカラーリングを一新。明るいオレンジ色と黒のツートンカラーが、ひときわ目をひく。また、このマシンから長年同チームのマシンに使われてきた”MP4”の呼称が消え去り、チームの新時代到来を印象付けようとしている。

【F1】ギャラリー:マクラーレン・ホンダMCL32ディティール

 2015年、マクラーレンはかつて黄金期を共にしたホンダとのコンビを復活させた。しかし、F1復帰初年度のホンダはそのパフォーマンス面に苦労し、チームとしても下位を争うことが多かった。とはいえ、ホンダは性能向上のために不断の努力を続け、徐々にではあるものの、上位との差を詰めていた。

 今季は”開発トークン”のレギュレーションが撤廃されたため、パワーユニットを根本から見直すことができるようになった。そのためホンダは、さらなる進歩を目指して、積極的な開発を行ってきたと言われている。

フロントエリアの空力処理

 発表日に公開されたマシンに取り付けられていたフロントウイングは、2016年にチームが使っていたものと酷似している。違いは、新レギュレーションに対応させるため、その幅を広げたくらいだろうか? 翼端板にはふたつのカナードが取り付けられていて、これは2014年の仕様とよく似ている。

 昨年後半、マクラーレンがテストしていたウイングは、今季のレギュレーションに合わせたベストな解決策のひとつと言えるかもしれない。ただテストしていたウイングは、メインプレーンが端までフラットなデザインになっていた。しかし今回発表会で公開されたマシンのメインプレーンには凹凸が存在している。ちなみにザウバーC36には、このフラットなデザインのフロントウイングメインプレーンが採用されている。

 ノーズもMP4-31によく似ているが、先端の突起とSダクトが特徴になっていると言えるだろう。これは従来のマシンにはなかったモノだが、昨年のメルセデスが採用したアイデアを拝借し、必要性に合わせて開口部の位置などを調整している。

 フロントウイングをノーズから吊り下げるステーも、その形状、大きさが目を引く。前後の長さは大きく延長され、そして昨年はひとつだったスリットが、3つに増やされている(上写真の○の中を参照のこと)。またステー後端部のノーズ側の付け根には、何やら微小な開口部が設けられているようだ。

 フロントのブレーキダクトは、ひとつの開口部がもうひとつの開口部に重なるように配置されている。ひとつは開口部の面積の大きな四角いスタイル、もうひとつはスリット状になっている。

 ホイールナットの形状も異なる。昨年は中央に開口部が設けられていて、ここからブレーキなどで熱せられた気流を排出していた。しかし、発表されたMCL32のホイールナットは、ごく普通のモノになっているように見える。また、昨年は特に複雑な形状だったエンケイ製のホイールも、よりシンプルな形状になったように見える。これらの変更は、ブレーキの冷却必要量の変化、そしてフロントタイヤ周辺の空力処理の考え方の変更によりもたらされたものだろう。

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