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自動車教習所「いっそのこと食べ放題!」 快適化が止まらない理由 検索上位を狙った生き残り策とは?

withnews 3/4(土) 7:00配信

教習生は欲しい、でも値引きはしたくない…

 教習生の獲得がどれだけ大変かというと、全日本指定自動車教習所協会連合会(東京都千代田区)によれば、2016年に教習所を卒業したのは全国で約153万人、ピーク時の1990年の6割になっています。

 一方で、指定教習所の数は全国に1280校(16年)と、ピーク時の91年が1477校なので1割減程度。従業員のためにも値引き競争にはいきたくない。そんな事情がうかがえます。

プレゼントや、女性向け設備も

 ネット検索での「インパクト」を重視したのが、神奈川県川崎市の向ケ丘自動車学校で、若者の注目を集めるプレゼントを多数用意しています。

 たとえば今年1月だと、人気テーマパークのペアチケット▽老舗の中華料理店「聘珍樓(へいちんろう)」のペアお食事券▽現金1万円のキャッシュバックから一つを選ぶ。過去には「Newニンテンドー3DS」も投入しましたが、担当者によると、「現金1万円のキャッシュバックが一番人気」なのだそう。

 「女性にやさしい」をうたうのが東京都練馬区の北豊島園自動車学校で、「レディース安心パック」を申し込んだ教習生は、ソファやマッサージチェアなどがそろう専用ルームでくつろげます。喫煙所だったスペースを改装したもので、子育てや介護の必要に迫られ、免許取得を目指す人たちに人気があるといいます。

合宿にケーキバイキング

 遠隔地からも生徒を集めたい「合宿免許」の場合はどうでしょう。熊本県菊池市の城北自動車学校では、「ケーキバイキング」作戦を展開していました。

 春の繁忙期に入った1月下旬の昼下がり。教習所の敷地内にあるレストランに、スイーツがどんどん運ばれてきます。イチゴタルト、シュークリーム、コーヒーゼリー、お団子――。チョコレートフォンデュもあって、まるでホテル気分。ピザやローストビーフなど軽食も充実しています。

 五島聖(ごとう・せい)シェフ(52)によると、全てが手作りとはいかないものの、バイキングの準備は3日前から始める大仕事なのだそう。

 会場にはやはり女性が目立ちます。

 森千紘(ちひろ)さん(20)は、北九州市からの合宿生。ネットで調べるなか「バイキング」の文字に心躍ったといいます。この日はランチを我慢。友達になった合宿生とケーキやお団子を楽しんでいました。

 隣接する大津町の高校3年、栗原唯さん(18)は4月から通学で運転が必要です。「午前中で教習は終わったけれど、待っていました」。幼なじみと午後のひとときを過ごします。

 記者も途中から「参戦」。イチゴたっぷりのタルトは大人気で、最後の1ピースをもらってしまいました。チョコレートフォンデュは、なかなか食べる機会がないので、テンションが上がります。

 総務課長の長尾武さん(41)によると、単調になりがちな合宿生活にイベントを、とケーキバイキングを始めたのは数年前で、月2回で定着しました。ほかにステーキのイベントもあります。

 「教習所にリピーターはいない。口コミで魅力を伝えてもらうことが経営的にも大切。接客にも力をいれてスタッフと生徒さんの会話を大事にしています」と話していました。免許を取ってからも教習所を訪れ、レストランで食事する卒業生もいるそうです。

 取材前は、何もそこまで、と思ってましたが、パンチの効いたサービスが必要だと納得しました。

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最終更新:3/4(土) 7:00

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