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米アカデミー作品賞 映画「ムーンライト」受賞の深読み

日刊ゲンダイDIGITAL 3/1(水) 9:26配信

「反トランプ」が色濃く出た前代未聞のオスカーだった。26日(日本時間27日)に行われた第89回米アカデミー賞授賞式。ハリウッドの白人至上主義を訴えるトランプ米大統領への反発がそうさせたのだろう。

 最高峰の「作品賞」には人種・貧困問題を描いた「ムーンライト」(日本公開4月28日)が選ばれた。大本命と目されたミュージカル映画「ラ・ラ・ランド」は受賞を逃し、「昨年も下馬評の高かった『レヴェナント:蘇えりし者』が作品賞を逃したように、過度に注目を浴びると賞を逃す結果になったりする。“アカデミーあるある”の結果といえるでしょう」(映画ライターの平田裕介氏)。

 しかも「ラ・ラ・ランド」は、運営側の不手際により一度は作品賞の受賞を発表され、関係者が舞台上でぬか喜びする羽目にも見舞われた。もっとも、主演女優賞や監督賞といった祭典を象徴する華のある賞は総なめ状態で、「5000人以上ともいわれるアカデミー会員はリベラル派も多いが、全体的には年齢が高く保守的な面も否めない。しかし、今回は、最近の米国の情勢もかんがみ『ムーンライト』の作品賞を含め、政治的配慮とバランスを取ったのではないか」(映画ジャーナリストの大高宏雄氏)。

■製作総指揮を務めたのはブラッド・ピット

 そして「ムーンライト」の作品賞受賞は、この男が誰よりも喜んでいるのではないか。同作のエグゼクティブプロデューサー(製作総指揮)を務めた俳優のブラッド・ピット(53)だ。最近はアンジェリーナ・ジョリー(41)とのドロ沼離婚や新恋人との同棲などプライベートの話題の方がお盛んだっただけに、一矢報いた格好だ。

「これまでも複数の作品を手がけており、プロデューサーとして一定の評価を得ています。しかも『マネーボール』(11年)や『それでも夜は明ける』(13年)といった賞レースに乗るものだけでなく、『ボヤージュ・オブ・タイム』(16年)といった小規模な作品まで多岐にわたる。ブラピに限らず、ハリウッド俳優や女優はセルフブランディングに長けている人が多く、40すぎると主役級の役者でもオファーが来なくなる状況を見据え、プロデュース業を並行するケースは珍しくない。トム・クルーズやジョージ・クルーニー、キャメロン・ディアスらもそう。エンタメ路線のトムに対し、ブラピはマイノリティー側に立った作品を手がけることが多い。社会に対する問題意識の高さに加え、時代の風潮や世相を読むのはうまいのかもしれません」(前出の平田氏)

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最終更新:3/1(水) 9:26

日刊ゲンダイDIGITAL