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RIP SLYME 自己最多本数・最長期間で行った全国ツアーを完走

3/1(水) 10:45配信

エキサイトミュージック

RIP SLYMEが、昨年10月6日の横浜公演から始まり全国32ヶ所36公演、自己最多本数・最長期間、総集客人数約30,000人を集めたライブハウス全国ツアー『Dance Floor Massive V』のファイナルを2月26日(日)沖縄公演で迎えた。今回のツアーではライブで演奏することを前提に作られた楽曲を3曲収めたCD『Dance Floor Massive V』をキャリアで初めて会場限定発売。その中の1曲「In The House」は事前に音の解禁を一切せず、お客さんに「ライブを観てのお楽しみ」状態を常にデリバリーした。

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さらに今回はツアー中に別のツアーを行なうという大胆な試みも実施。昨年12月には恒例のクリスマスライブを、これまた初となるツアー形式(全国5ヶ所)&バンド編成を採り入れたメニューで行ない、自分たちをフレッシュにキープし続け、長丁場となったツアーを完走した。

その、セミファイナル公演が2月18日(土)、東京Zepp DiverCityでフルキャパとなる約2,500人を集めて開催! 開演時間ぴったりに場内が暗転し、イントロが流れ出すと、珍しくSUが「トーキョー、乗ってっかー!」と始まりの合図。パンパンに膨れあがったフロアから大歓声が沸く中、「ここへようこそ」的な自己紹介ソングである先述の「In The House」をお披露目。ラフなヒップホップビートで初めて耳にする観客をいとも簡単にロックし、賑やかにライブが開幕した。

1曲目が終わるとDJ FUMIYAがジュコジュコジュコと太いスクラッチをかまし、ブレイクビーツ使いのオールドスクールなパーティーチューン「What's Up?~How're You Doin'」へ。そして彼らのクラシック「雑念エンタテインメント」へとなだれ込んでいく。前半の目玉がこのナンバーで、今回は特別にイントロや各ヴァースで80年代後半から90年代のヒップホップをネタ使い。ビッグ・ダディ・ケイン「Nuff Respect」、ピート・ロック&CLスムース「The Creator」、DJスピナ「Rock」、ロブ・ベース&DJイージー・ロック「It Takes Two」、デ・ラ・ソウル「Say No Go」、ファーサイド「Soul Flower(Remix)」といったクラシックが次々に飛び出した。

ディスコ調の「SLY」に続けてプレイされた「GALAXY」も、本ツアー用に作られた新装ミックスで、今度は90年代のヒップハウスを思わせるビートとDJ FUMIYAのスクラッチをブレンド。今回のツアーは90年代をコンセプトにしていたのだが、それを最も象徴していたのがノンストップで繰り広げられたこの冒頭のブロックで、原曲をオリジナルとは違うビートに生まれ変わらせ、観客を驚かせると同時に興奮の渦へと巻き込んだ。

その後はRYO-Zが「今日はどんな曲がかかっても俺たちと踊れますか! 最後まで暴れられますか!」と煽って、『Dance Floor Massive V』収録の「Check This Out」をドロップ。そこから「JACK GOES ON」「Good Day[Remix]」「Strobox」「SCAR」を各々1番とサビくらいの長さのメドレーで畳みかけ、最後に「POPCORN NANCY」がパフォーマンスされた。メドレーと言っても各曲をカットインやショートミックス、ロングミックスで繋いでいったところが実にヒップホップ的。曲調の違うナンバーが巧みなミックスによって繋がれ、ひとつの大きな生き物が跳ね回っているようなうねりを生み出していた。

ここまでのアッパーな流れをクールダウンさせるように、続いてのブロックは「(I could have)Danced all night」「黄昏サラウンド」「One」というメロウなミッドテンポ曲の連続プレイでチルアウト。そしてヒット曲「楽園ベイベー」「STEPPER’S DELIGHT」で再びフロアのテンションを高めていく。

その後のMCでは、PESから「自由すぎる!」とツッコミが入るほど、いい意味でゆるっとしたトークを5人で展開。最近のRIP SLYMEのライブでは、MC中のふとした会話をDJ FUMIYAがその場でサンプリングしてイジるのが定着しているが、この日はRYO-Zの「怖いわ、うわっはっはっは!」という声を瞬間録音し、FUMIYAが即興でビートを作成。それを流してRYO-Zをいじったところ、ILMARIが「最高傑作ができたね」というほど、メンバーも観客も大爆笑。SUもその笑い声で「笑い袋を作ろう」というほど盛り上がった。

その砕けた空気を変えるため、RYO-Zが「次の曲はカッコいい大人をテーマにした曲です。カッコいい大人、紹介してもいいですか!」と、この日のスペシャルゲストであるFire BallのCHOZEN LEEを呼び込み。マフィアのボスのような真っ白なスーツで決めたCHOZEN LEEとの「The Man」は最高にエネルギッシュなステージだった。

そこからDJ FUMIYAのロボ声ラップも飛び出した「BUBBLE TROUBLE」、90年代ビッグビート風にニューアレンジされた「UNDERLINE No.5[REMIX]」、激烈EDMの「Good Times」、さらにハウス・オブ・ペインの「Jump Around」をちょい挟んでからの「JUMP」へと怒濤のラッシュ。グングン高まる場内のボルテージをさらに上げるように「熱帯夜」を投下し、最後は「最高のジャンプで最高に熱い夜にしてくれたみんなに“素晴らしい”というこの曲を贈ります」(RYO-Z)と「Wonderful」をパフォーマンス。熱気に包まれた場内を朗らかな空気に変えて本編は終了した。

大きな拍手に迎えられて始まったアンコールでは、「これもDance Floor Massive Vのエクスクルーシヴ ヴァージョン」(RYO-Z)というフリから、90年代アシッドジャズを想起させるメロウなボッサとドラムベースを融合させた新装「JOINT」を披露。その後「Ah! Yeah!」「ピース」と続け、この日のライブはピースフルに幕を閉じた。

ライブハウスをクラブに見立て、矢継ぎ早にダンスチューンを繰り出し、天井知らずで観客を盛り上げていくのが「Dance Floor Massive」シリーズの醍醐味。さらにRIP SLYMEのライブでは何かしらのアレンジやリミックスが施された「現場でしか聴けないヴァージョン」が聴けるのも楽しみである。今回のツアーは90年代というテーマに則りながら、その2つの旨味を凝縮。シリーズ史上最も濃密でフレッシュで、そして5人のヒップホップ愛とルーツが端々から感じられるライブだった。
(取材・文/猪又 孝)

≪セットリスト≫
1. In The House
2. What's Up ? ? How're You Doin' ?
3. 雑念エンタテイメント
4. SLY
5. GALAXY
6. Check This Out
7. JACK GOES ON
8. Good Day[Remix]
9. StroboX
10. SCAR
11. POPCONE NANCY
12. (I could have)Danced all night
13. 黄昏サラウンド
14. One
15. 楽園ベイベー
16. STEPPER'S DELIGHT
17. The Man(feat.CHOZEN LEE from FIRE BALL)
18. BUBBLE TROUBLE
19. UNDERLINE No.5[Remix]
20. Good Times
21. JUMP with chay
22 熱帯夜
23. Wonderful
<ENCORE>
1. JOINT
2. Ah! Yeah!
3. ピース