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今さら聞けない! 初心者でも分かる「リフレ派政策」とは?

3/1(水) 17:40配信

ZUU online

現在の日本経済を語るうえで外せないのが、安倍政権が推し進める「アベノミクス」だ。そして、アベノミクスの理論的支柱になっているのが「リフレ派政策」の考え方である。

アベノミクス開始前に比べ、株価は大幅に上昇し、為替は大きく円安に振れた。この資産価格上昇の恩恵を受けた人も多いだろう。その一方で、日銀が約束した「2年で物価上昇率2%」はいまだ達成されておらず、アベノミクスの恩恵は富裕層に限定されているとの指摘もある。

今回は、この「リフレ派政策」とは一体何なのか見ていきたい。

■リフレ派政策とは

リフレ派政策とは、緩やかな物価上昇を継続することで、経済成長を達成しようとする政策だ。「リフレ」とはリフレーション(再膨張)のことであり、デフレ(デフレーション:収縮)は脱却したがインフレ(インフレーション:膨張)には至っていない状態を指す。

リフレ派の主張によると、政府や中央銀行が数%程度の緩やかな物価上昇率をインフレターゲットとして定めるとともに、中央銀行が長期国債を買い上げるなどマネタリーベース(中央銀行が供給する通貨の総量)を増加させることで、デフレから完全に脱却し、経済成長することが可能だという。

■黒田日銀の金融緩和

わが国では、このリフレ派政策を実際に行い、経済を活性化させようとしている。安倍政権が推し進めるアベノミクスは、「金融緩和」「財政出動」「成長戦略」という3本の矢が政策の柱であり、このうち「金融緩和」を担っているのが、黒田総裁率いる日本銀行である。

2013年に黒田東彦氏が日銀総裁に就任して以降、デフレ脱却を合言葉に、国債買入やETF(上場投資信託)買入、マイナス金利導入など、積極的な金融緩和を行っている。金融緩和を行うことで、銀行を経由した企業や家計への貸し出しを増やす。日銀がリスク資産を購入したり、市場にマネーを供給したりすることによって、企業や家計のマインドが改善し、設備投資や消費が活発になり、いずれは需要が供給を上回り、需要主導の物価上昇(ディマンド・プル・インフレ)が発生する。大まかにいうと、これが現在の金融政策の狙いだ。

リフレ派は、これまでは経済政策の主流派ではなかったが、世界同時金融危機後は、世界各国が一斉に金融政策(中央銀行によるマネタリーベースの拡大)に動くなど、風向きが変わりつつある。特に、日銀副総裁に就いている岩田規久男氏は、リフレ派経済学者の第一人者として知られている。日銀は、2018年4月の黒田総裁退任まで、多少の調整はあれ、基本的にはリフレ派政策に沿って大規模な金融緩和を継続すると予想されている。

■世界各国の金融政策

前述の通り、2008年の世界同時金融危機後の混乱から立ち直るため、各国の中央銀行は、一斉にマネタリーベースを拡大する金融緩和を実施した。

アメリカでは、連邦準備制度理事会中央銀行(FRB)がバーナンキ議長を中心に、中央銀行が債券を買い上げる大規模な金融緩和政策を行った。英国(BOE)もユーロ(ECB)も同様だ。

アメリカの主要株価指数は、金融危機前の水準を超えて過去最高値圏で推移(2017年1月時点)し、失業率も危機前を下回る数値である。格差の是正や緩慢な賃金上昇など問題も散見されるが、「危機からの脱却」という意味では、リフレ派政策は一定の成果をあげたと言ってよいだろう。

■金融政策の限界?

その一方で、日本の景気回復および経済成長は、緩慢と言わざるをえない。2016年1月に日銀はマイナス金利を導入したが、思い描いていたインフレ発生の気配はなく、金融政策の限界を指摘する声も聞かれるようになってきた。

奇しくも2016年は、G20やG7において参加国の共同声明として「財政出動」の重要性が形式上とはいえ取り上げられている。経済成長のエンジンは、金融政策から財政政策へ移りつつあるのかもしれない。

そもそもアベノミクスは、金融緩和と財政政策、そして成長戦略という3本の矢を組み合わせることによって実現される構想だ。2017年は、政府主導の景気浮揚策に注目したいところだ。(提供:確定拠出年金スタートクラブ)

最終更新:3/1(水) 17:40
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