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中国-台湾-沖縄 犯罪組織が連携、進む大規模化 過去最多の覚醒剤密輸

3/1(水) 10:45配信

沖縄タイムス

 昨年全国で相次いだ不正薬物の密輸摘発は、沖縄県内でも押収件数・量とも過去最多を記録した。沖縄地区税関は昨年5月、1回の摘発量として最多となる覚醒剤600キロを押収。捜査関係者は中国-台湾-沖縄をルートとする密輸が横行している可能性を指摘。各国の犯罪組織が連携し、「大規模密輸」に絡んでいるとみて、警戒感を強めている。

 財務省によると、昨年の覚醒剤押収量は前年比の約3・6倍に増え、過去最多の1501キロ(末端価格約1050億5500万円)を記録した。薬物乱用者の通常使用量に換算すると約5003万回分に上る。

 1件当たりの平均押収量は約14キロで、前年比約2・8倍に増えた。同地区税関の担当者は「1度にできるだけ大量の覚醒剤を密輸しようとしている」と語る。

 覚醒剤密輸増加の背景として捜査関係者は「内因」と「外因」を指摘する。

 「内因」は、改正暴力団対策法や暴排条例などの取り締まり強化で、暴力団の資金源確保の手段が狭まり、薬物売買に頼る構図があるという。

 一方の「外因」は、日本の覚醒剤末端価格が「世界最高額」にあることだ。台湾情勢に詳しい関係者は「中国から日本へ密輸した場合、価値は7~8倍になり、台湾からでも4~5倍になる。組織の周辺者が『一獲千金』を狙って密輸している背景がある」と指摘。国内外の犯罪組織が「利益を分け合う」形で密輸を進める可能性があるとする。

 密輸ルートが県内を経由することを注視する向きもある。「暴力団の世界では『場所代』のルールがある。ルートが沖縄なのに、沖縄の暴力団が『密輸を知らなかった』となれば、『縄張り荒らし』でトラブルになる」。捜査関係者はこう語り、「円滑に進むよう密輸グループから県内の組織に『通行代』が渡っている可能性はある」。

 覚醒剤以外にも、台湾からの入域観光客増加が「ビジネス」になるとして、日台の組織間の交流が進む。県内では2015年に台湾3大マフィアの一つ「竹聯幇(ちくれんほう)」の張安樂会長が来県し、旭琉會幹部と4日間にわたり接触した。県警は、暴力団や台湾マフィアの関係者が台湾や沖縄を往復している状況も把握している。

 県警幹部は「密輸逮捕者の多くは運び屋で、情報も限られたものしか与えられていない。組織の摘発は難しく、警察庁を通じた国際的な捜査協力が重要」と話した。

最終更新:3/1(水) 15:20
沖縄タイムス