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1億9千万円が11億6千万円に 高江ヘリパッド工事費、増えた理由は

3/1(水) 7:25配信

沖縄タイムス

 米軍北部訓練場の一部返還の条件だったヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設事業で、沖縄防衛局が発注後に契約を変更し、工事費がN1地区で約1億9千万円から約11億6千万円と6・1倍に、G地区で約2億1千万円が約11億3千万円と5・4倍に膨らんだことが28日分かった。抗議活動に対応する警備業務の追加や、工期短縮のためのヘリコプターでの資材空輸などを主な要因としている。

 同事業では、二つのヘリパッドと進入路などを整備するN1地区で9回、一つのヘリパッドを建設するG地区で8回、契約を変更。事業は続いているため、さらに増える可能性がある。平和市民連絡会の北上田毅さんが情報公開請求で資料を入手した。

 いずれも一般競争入札。N1地区では2014年1月に1億8900万円、落札率96・8%で北勝建設、G地区では15年1月に2億520万円、落札率92・1%で仲程土建と契約した。

 東村高江の集落を囲むように六つのヘリパッドを建設する事業の一環で、県内外から反対する市民らが集まり、抗議活動を展開。着工できない状態が続いたが、政府は昨年7月、最大800人の警察機動隊を動員し、工事を強行した。

 N1地区では昨年8月に警備業務の追加で、約6億円、同10月に歩行訓練ルート整備やヘリコプターでの資材運輸31回で約3億2千万円を増額した。G地区では同8月に警備業務で約2億8千万円、同10月に資材空輸24回などで約6億2千万円を増額した。

 防衛局は沖縄タイムスの取材に、反対する市民のテントや車両が放置され、通行困難な状態が続いたことから契約変更が必要となったと説明している。

 北上田さんは「5倍、6倍に膨らむのは考えられない。契約をやり直すべきだ」と指摘。昨年12月の北部訓練場の過半返還を急いだため、警備強化、ヘリでの搬入が必要だったと批判し、「許し難いとしか言いようがない」と語った。

 H地区では2億1800万円で契約し、昨年12月に契約変更したが、151万円の小幅な増額にとどまっている。

 識者「異常事態だ」

 宮田裕沖国大・沖大特別研究員の話 沖縄総合事務局の調整官として沖縄振興の公共事業でダムや空港、道路の整備に関わってきたが8~9回の契約変更や、5~6倍の工事費増というのはあり得ない。異常事態だ。会計検査の対象になるだろう。積算根拠を含め合理的な説明が必要だ。そもそも公共事業で、警備予算を上積みするのが考えられない。増額を伴う契約変更の繰り返しは「国策」や「住民の反対」とは別に、公共事業の執行の適正化という観点から違和感を持つ。

最終更新:3/1(水) 11:30
沖縄タイムス