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物流が悲鳴、ヤマトが宅配取扱量抑制を検討 独自配送網を構築する事業者も

3/6(月) 8:30配信

THE PAGE

 宅配便最大手のヤマト運輸が、とうとう荷物の取扱量抑制の検討を開始しました。具体策の一つとして、時間指定配送の枠を見直す案などが浮上しています。アマゾンなどネット通販の荷物が急増していることは多くの人が認識していましたが、やはり物流システムが悲鳴を上げてしまったようです。

 取扱量抑制の声が上がったのはヤマト社内における労使交渉の場でした。組合側が今のままでは業務に無理があるとして取扱量の抑制を要求。会社側もこれに応じて具体的な方策の検討に入りました。

 2016年3月期におけるヤマトの宅配便取扱量は17億3126万個で、前年比で6.7%の増加となっています。2017年3月期はさらに増えて18億個を超える見込みです。ヤマトに限らず、宅配便の取扱量は増加していますが、ヤマトの最大の競合である佐川急便が、アマゾンからの依頼を受け付けなくなったことから、ヤマトへの集中化が進んでいました。

 ヤマトが具体的にどのように対応するのかはまだ分かっていません。純粋に取扱量を減らすのか、値上げを実施した上で増員するのかによってネット通販側の対応は変わってくるでしょう。一方、ネット通販側も運送事業者のこうした状況はよく理解しています。最近は、より高度な配送サービスを実現するため、自社のリソースを使った独自の配送網を構築する事業者も増えてきています。

 アマゾンは、年会費3900円を支払う有料会員(プライム会員)を対象に、アプリを通じて注文した商品を1時間以内に配送する「プライムナウ」というサービスを行っています。1回あたり2500円以上の注文が条件で、890円の配送料がかかりますが(2時間以内でよければ無料)、運送会社ではなくアマゾンのスタッフが商品を持ってきてくれます。

 量販店大手のヨドバシカメラも昨年9月から、ネットで注文した商品を最短2時間半で届ける「ヨドバシエクストリーム」というサービスを開始しています。すべての商品が2時間半で配達されるというわけではありませんが、ヨドバシの配送料は無料です。

 こうしたきめ細かい配送サービスに対しては過剰との声も出ていますが、顧客の利便性の高さを考えると、これらがなくなる可能性はほとんどないとみてよいでしょう。むしろ、ライフスタイルの多様化によって、ニーズがさらに高まるかもしれません。今後は、ネット通販事業者による自社配送サービスが拡大するとともに、AI(人工知能)を活用した効率のよい配送システムが普及することで問題解決が図られる可能性があります。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:3/12(日) 11:03
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