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<けものフレンズ>なぜ「たーのしー!」のか

3/3(金) 21:30配信

まんたんウェブ

 しかし単に作品を広めるだけではこれほどのブームが起きることはなかったでしょう。作品を知り、アニメを見た人々をますます「けものフレンズ」に夢中にさせたのが、もうひとつのポイントである“思わず深読みしたくなる世界観”です。

 本編では基本、アニマルガールとかばんちゃんが繰り広げる日常系に近いほんわかした冒険が描かれています。しかし一見明るく見える作品の舞台「ジャパリパーク」は実は廃虚となったテーマパークです。アニマルガールとかばんちゃんの他には人間や動物たちの姿はなく、古びた看板や建物は少し荒廃した雰囲気も放っています。エンディングで流れるのも閉鎖された実在するテーマパークの写真であるなどどこか意味深で、かわいくて楽しい世界観の中に見え隠れする不穏な描写に「まさかここは人類滅亡後の世界?」「このアニメ、実はハードなSF作品なのではないか」と、やがて作品考察をしだすファンが続出し始めました。こうして深読みされた「けものフレンズ」世界の謎がさらにネット上で熱く議論されるようになり、見た人をさらに深く作品にのめりこませていったのです。

 癖になる“個性的なせりふ”が広く作品を知らしめ、“深読みしたくなる世界観”は視聴した人を深く作品にのめりこませる。この広さと深さをカバーする二つの魅力が、放送開始とともに「フレンズ」ブームをネット上で形成していったのではないでしょうか。

 その後も冒頭で挙げた通り、アニメファン以外にまで知られるほど話題となった「けものフレンズ」ですが、一方で放送に先駆けて配信されていたスマホゲームは昨年末にサービスを終了していたりもします。しかしそのことは逆に現在の「フレンズ」ブームが、アニメ放送前までは制作サイドにも予想できなかったほど想定外のものであることを物語ってもいるのではないでしょうか。人々の予想を超えるこの盛り上がりは今後どのように展開していくのか。アニメオリジナルであるストーリーの行く末とともに、最後まで目が離せない作品です。

 ◇プロフィル

 こあらい・りょう=埼玉県生まれ、明治大学情報コミュニケーション学部卒。アニメ好きのオタクなタレント「オタレント」として活動し、ニコニコ生放送「岩崎夏海のハックルテレビ」やユーストリーム「あにみー」などに出演する傍ら、毎週約100本(再放送含む)のアニメを見て、全番組の感想をブログに掲載する活動を約2年前から継続。「埼玉県アニメの聖地化プロジェクト会議」のアドバイザーなども務めており、社会学の観点からアニメについて考察、研究している。

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最終更新:3/3(金) 21:30
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